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【睡眠衛生指導】よりよい睡眠の手がかりは「光」!

【睡眠衛生指導】よりよい睡眠の手がかりは「光」!
「デイケアの中のひとが語る、精神科まわりのあれこれ」#79

 好評連載中の「睡眠衛生指導」についての記事。今回は、よりよい睡眠の手がかりは「光」にある、というお話です。

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 まず、どうして「光が大切なのか」というご説明から。

 私たちの睡眠・覚醒リズム(続けてお読みの皆さまは、「概日リズム」という言葉を憶えてくださったのではないでしょうか)は、実はきっちり24時間ではなく、数十分ほど長くなっているとされています。だから、放っておくと少しずつズレてしまうリズムを、何かを手掛かりに、日々修正しているのです。この生物時計を修正することを「同調」といい、同調の手がかりとなるものを「同調因子」といいます。この同調因子のなかで最も重要とされるものが「光」なのです(その他の同調因子には「規則正しい食事」「日中の身体活動」「社会的接触」などがあるとされます)。

 朝、日の光を浴びると、進み過ぎた生物時計をリセット(進み過ぎた時計を戻す)してくれます。逆に、夜間に強い光を浴びると、睡眠・覚醒のリズムが狂い、入眠しにくくなってしまうことがあります。

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 ですから、睡眠衛生指導では、よりよい睡眠のために、以下のようなアドバイスをします。

 まず、就寝時間がずれてしまっても、起床時間はできるだけ一定にし、朝、太陽の光を浴びるようにします。就寝時には、テレビやパソコン、スマホの画面などはなるべく見ないほうがいいです(ベッドに横になりながらスマホなど使うと、寝床を睡眠以外の用途で使うことで、睡眠への条件づけが乱れてしまうので、特によくない)。寝室は充分に暗くして就床しましょう(豆電球を灯すなど、月明かり程度の明るさなら大丈夫)。

 光を味方につけ、よい眠りを!

(おわり)

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