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【(帰ってきた)誰でもできる自炊】目は痛いが味は最高【メイタガレイの唐揚げ】

 美貌を誇り栄華を欲しいままにした彼女も、死して屍は朽ち、しゃれこうべからぺんぺん草が生えてしまう。草が風にそよぐたびに、眼窩に激痛が走るのだ。彼女は叫ぶ、「あなめあなめ(ああ目が痛い、ああ目が)」と※。

 さて、いったんシリーズ終了したものの、ネタがあるたびに特別編として細々(笑)お送りしている「誰でもできる自炊」シリーズ。今回は、いつもの「魚勝・スーパーグレース」で、ちょっと珍しい小ぶりの鰈を見つけたので、連れて帰り唐揚げにしてみましたよ。その鰈とは「メイタガレイ」。

 メイタガレイは、両眼の間に板状の突起があり、触ると痛いことから「目板鰈」または「目痛鰈」と名がついた鰈です。まったく冗談のような名前。小ぶりながら、一匹80円!これはお連れするしかないでしょう笑。

写真1・2・メイタガレイ。本当はもう少し大きくなる魚だが、この子は20cm前後。両眼の間に突起(棘)があるのがわかる。

 小ぶりの鰈は、唐揚げにして吉です。早速調理しましょう。鰈には、砂のような小さな鱗がびっしりついているので、丁寧に落とします。小ぶりの子なら、台所用スポンジの硬い奴で強めにこすれば取れます。頭側・腹側から包丁を2回入れて頭を手前に引くと、内臓もとれます。よく洗って水気をふき取り、片栗粉をしっかりつけて、低めの温度でじっくりと揚げますよ。ちなみに、下味は付けずに、食べる前に塩こしょうを少々振りました。

写真3・メイタガレイの唐揚げ。

 いつになく完璧な仕上がりだ笑。ではいただきましょう。

 いただく前から分かっていたけど、うまーい!上品な白身。揚げたことによる香ばしさ。揚げ物は、片付けが面倒なので、普段はあまりやらないのですが、今日はそれ込みでも大満足です。ごちそうさまでした。

 ちなみに、私は魚の食べ方が綺麗(意地汚いともいう)と自負があるのですが、今回の鰈もきれいさっぱり頂きました。骨だけになった残骸の写真を最後に貼ります。人が箸をつけた残骸なので、ご不快な方はここまで、ということで。

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写真4・骨だけになった鰈。ここまできれいに食べてあげれば、魚も成仏できることだろう。

 また新たな魚に出会い、食べてみたら、レポートしますね。それではまた。

※冒頭の変な文章は、小野小町伝承のひとつ「あなめ小町」によります。

(おわり)

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