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ジェフリー・ディーヴァー 「真夜中の密室」 (本のご紹介)

ジェフリー・ディーヴァー 「真夜中の密室」 (本のご紹介) (文藝春秋 2022年)

 初老にもなると、失うものが加速度的に増えていく、ということことに、ある日突然、気づかされます。

 近くのものが見えにくい、高い音が聞こえにくい、硬く締まった瓶のふたが開かない。挙句の果てには、道で転倒して怪我をする(これら全て、とある人の実体験涙)…。

 ところが、歳を重ねるごとに、得られる機会が増える、貴重なものがあるのです。それは、

「再会の喜び」!


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 ライムとサックス、お帰りなさい。

 ライム&サックス・シリーズ3年ぶりの新作。発売当日に買い求めましたよ(最近は新刊を購入すること自体が珍しいので、破格の待遇)。楽しみに読みました。

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 犯罪都市ニューヨーク。その住民は大なり小なり、施錠と警戒を怠らないものだが、厳重に施錠された密室の錠前を破り侵入する事件が立て続けに発生する。住民に危害を加えず、ただタブロイド紙に「因果応報」と記す犯人は、ロックスミス(解錠師)を名乗っていた。

 ライムは、殺人事件の裁判での証言がもとで、ニューヨーク市警との委託契約を解除されてしまっていた。事件に首を突っ込めば、逮捕起訴される恐れもあったが、サックスや仲間たちと、極秘に捜査を始める。

 犯人が部屋に侵入する目的は何なのか。タブロイド紙の「因果応報」のメッセージは、何を意味するのか。タブロイド紙を発行するメディアグループ企業の創業家一族は、事件とどのように関係するのか。犯人は誰なのか。そして、契約外の捜査を行うライムとサックスの運命やいかに…。

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 新刊を手にする歓びを、堪能しました。期待と違わぬ、爽快な読後感。これからも、いい再会がありますように。

(おわり)

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