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福祉施設における「情報管理」:人手不足のはずなのに人海戦術って…

福祉施設における「情報管理」:人手不足のはずなのに人海戦術って…
「サイコロジー・メンタルヘルス&日々のあれこれ」

 先日まで数か月の間、主に精神障がい当事者の方が利用する地活のお手伝いをする機会に恵まれました。そこで気づいたことを備忘録として書き残しています。今回は、福祉の現場における情報の管理とその活用について。といっても、支援の質に係るものというより、非効率的なシステムについての“愚痴”めいた内容です、すみません…。

※記事公開からおよそ1週間で、以下を有料とさせていただきます。あしからずご了承ください。

 私がお手伝いに入っている最中に、記録システムの更新(もともとのもののバージョンアップではなく、新システムへの移行)があり、管理されている利用者様のデータ移行をサポートしました。データ移行といっても、一括でできるものはなく、お一人おひとり、一つひとつ手入力していくわけです。

 これがねえ、全くもって非効率的だったわけで。例えば、登録利用者様の障害種別(身体障害、知的障害、精神障害といった具合)を入力するのに、「個人の登録情報の中から、当該(障害種別欄を含む)ページを呼び出し、障害種別のボックスのプルダウンから“精神障害”を選択、確認のポップアップを2度クリック(「登録していいですか?」と「登録しました!OK」と)、もとのページに戻る」という一連の操作を、延々登録人数分だけ繰り返していくわけです。一情報入力お一人様あたり9ないし10クリック、数十秒の時間を要しました(数えましたよ)。これでは人海戦術をとらざるを得ない。やれやれ…。

 これ、「登録者全員のリストを出力、精神障害に該当する利用者のチェックボックスを全てチェック、確認のクリック」で済む(クリック数と所要時間は数分の一)はずなんです。一括入力ができないのは、記録システム設計の稚拙さと言わざるを得ませんね。

 私は長く精神科医療機関におり、退職前の数年は電子カルテが導入されました(日本事務器のMI・RA・Isというシステムだった)。電子カルテは、記録の一覧性に乏しく、紙カルテをぺらぺらめくって全貌をざっくり理解するということがパソコンではやりにくかった一方で、情報や記録の登録・整理はめちゃめちゃ効率化できたのです。もちろんいろいろなところでデータの一括入力ができたことのおかげです。

 福祉施設はどこも概して人手不足のはずですから、せめて記録の登録・管理(と支援費の請求)はばっちり効率化し、利用者のケアに向き合う時間を捻出できるとよいのですがね。皆様のところは、いかがでしょうか…

※この手のシステム開発において、ユーザーの使用感を聞き取り改善に活かす、という取り組みがあればいいですね。私、ボランティアでお手伝いしてもいいくらいです…

(おわり)

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