技術の進歩と原爆『この計画はひみつです』
映画『オッペンハイマー』が公開されています。晩年まで描かれているとのことですが、やはり中心はマンハッタン計画なのでしょうか。
観ていないので、このことについてはこれ以上書けませんが、このような絵本を読みました。
『この計画はひみつです』
国の秘密の計画遂行のために、私立の男子校に立ち退きを命じるところから、始まります。
そう、マンハッタン計画のために、研究所を建てるのです。
セキュリティは厳しく、中で働く人たちはなんの場所か教えてもらえませんでした。
さらにここで働いていることも口止めされていました。
科学者たちは、他の国に負けないように一刻も早くそのガジェットを作ろうと日夜努力していました。
読んでいて、イライラします。
その結果を知っているから。
完成させて、そして実験をします。
巨大なキノコ雲、そして真っ黒なページ。
調べると実験場の近くの住民はもちろん知らされず、そして被曝をしています。
更にその調査は、今から10年前にようやく始まったそうです。
実験からすぐ後に、広島、長崎と原爆が落とされています。
科学者達を責めるのはお門違いでしょうか。
この技術開発によって生まれたもので世界が一変することは、彼らはわかっていたはずです。
その威力も。
後から悔いるくらいなら、想像力を持って良心を持って判断できなかったのか。
ドイツに先を越されるくらいなら、自分達で作ってしまいたい、その意識が強かったのでしょうか。
自分たちの技術力を試したい科学者魂は、悪魔的な魅力に抗えなかったのでしょうか。
もちろんこれも後からの、私の意見なのかもしれません。
今は、どうでしょうか。
例えばドローン。夜空を花火のように美しく彩ったり、小荷物を運んだり、空撮をしたり。
そして空爆に使われたり。
技術の進歩について、身の回りのことと同じように考える力を子どもの時から養うことが大切だと、最近よく考えています。
いや、それだけではなく、物事には多くの側面があって、それらを想像する力を失ってはいけないし、その力をつけていこうということ。
この本を読んで、その思いがまた強くなりました。
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