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夜廻り猫に亡き父を想う

夜廻り猫を読んでみました。
「泣く子はいねがー」
と野良猫の遠藤さんが、涙の匂いを出している人に寄り添って、話を聞いてあげる。
聴いてもらうだけで、癒されるんですね。

顔馴染みになってごはんもらって、遠藤さんも少し嬉しそう。
途中で、カラスにつつかれていた赤ちゃん猫を助けて、懐に入れて一緒に行動するようになります。

重朗という名前を、街のボス猫から受け継いだ子猫。
遠藤さんは、それはそれは大切に育てます。
自分が食べ物を我慢してでも重朗に食べさせます。

大きな肉まんや、魚をもらった時は、友達の猫と分け合う。
決して独り占めしたりは、しません。
本当に優しいのです。

そうそう、芝犬の話は涙なくして読めません。

ある日お腹を空かせ、限界の芝犬に出会います。飼い主が1週間帰ってこないのです。
紐に繋がれて、犬小屋でひたすら耐えていた芝犬。
遠藤さんたちは、知り合いの人間に頼んでご飯をもらい、獣医さんに連れて行こうとします。
するとそこに飼い主が!
買い物に出かけた飼い主さんは、出先で倒れてしまっていたのです。
病院でも芝犬のことをうわごとのように言い続けていたそうです。

自分の経験とオーバーラップしてしまいました。少し違いますが、実家の近所のお家で、
飼い犬を残して時々旅行に行ってしまうのでした。
すると、今は亡き父がその家に内緒で餌をあげて帰ってくるまでの面倒を、黙ってみていたのです。
お腹空かせて、かわいそうだからな。
父はそんなことを言いながら、せっせとフェンス越しに餌をあげていました。

いつのまに、野良猫の遠藤が父に見えて。

自分は食べなくても、家族に、という気持ちも似ているようです。

そんなことを思いながら、100話以上がおさめられている第1巻を堪能いたしました。

10巻まで出ています。

1巻ずつじっくりと読み進めたいと思います。

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