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パレスチナに生きる、人の心は同じことに気づく絵本

ある日大学生の子どもが、駅前で行われた
stop genocide、free Palestina、のデモに参加したよ、と動画を送ってきてくれました。

また他の日には、パレスチナについて書かれた
「本を読むデモ」に参加してみた、とやはり写真を送ってきました。

子どもは友人たちと一緒に、イスラエルの協力企業と言われているお店には行かない、を続けているそうです。私も心がけるようになってはいますが、お付き合いで入ることも。徹底していないですね。

でも、パレスチナに住んでいる人たちはどんな?と思ったので読んでみました。

『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』
こちらは写真絵本です。
高橋美香さんが、パレスチナで居候された二軒のお宅にいらっしゃる、ママさんとマハさん。
何十キロか離れたところに住んでいるお二人は、高橋美香さんを通して、電話で話すようになります。

ママさんは酪農もされていたのですが、ある日突然敷地のなかに分離壁が。
マハさんは、親が決めた結婚相手は難民キャンプに住む人でした。

今の自分の生活からは想像つきません。
さらに、理不尽な、何の理由もなく近隣の人や親戚が殺されてしまいます。

夫や息子さんが朝仕事に出かける後ろ姿。
生きて無事に帰ってくるかと毎日心配をしながら送り出す。

寡婦となったマハさんは、服喪期間は外出さえ禁じられる慣習。しかし、仕事をしないと生きていけません。

そんな女性を救う、家事の手伝いのような仕事をまわしてくれる友人。
オリーブ畑では、全てを収穫し尽くさず、木を持たない人が実を拾えるように、残して落としておくそうです。

そうやって社会が成立しているというのは、昔の日本もそういう面があったなと、思い出します。

しかしながら、木を持つ存在となる視点を持とうと、高橋さんは言います。
だから難民キャンプに、実のなる木を植えます。

命の軽さが、想像を絶します。

だからと言って、悲しみも軽いわけではありません。
嘆き悲しみ、しかしそのなかでも生きていかなきゃならない。

他の場所で生まれたらまた違う生活をしていたのかな、というセリフが刺さります。

私がみている風景や周りとは全く違う環境だけど、気持ちは同じだという当たり前のことに、だからこそ今のパレスチナの状況を考えると胸が痛みます。

どうか1日でも一瞬でも早く、心から安心して暮らせるようになりますように。
そんな願いを込めて、この本の紹介とさせていただきます。

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