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読書感想文 世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語

良書!大変な良書だぜこいつは!最高だな!

誰が地上にはもう探索する場所がないだなんて言った?

これがロマンあふれる話なんですよ。サテライツがBOOM BOOM飛び回るこの21世紀にあっても我々は冒険心を捨てる必要はないんです!

たとえばこうだ

1774年に記録されたサンディ島は、google mapにも載っていたれっきとした島だった。2012年、実際にサンディ島のある海域に調査船を出したところ島影はなかった。幻島だったのだ。現在 google mapからはサンディ島は消されている。

21世紀なのによ。なんていうか、知識ってやつは古今東西のいろんな人の記録や記憶の寄せ集めたキルト生地みたいなやつでさ、そこには時々そういう「幻島」みたいな模様がでてきちゃう感じ?よくないですか?

地図職人は空白を恐れる

本書には、不思議に思ってたことのいくつかのヒントが書いてあって、ひとつが「昔の地図ってなんで怪物書いてあんのかな?」です。

まず、幻の島や海峡が昔の地図には山ほどあって、理由は様々だけど、希望的推量とか光学的な錯覚だったり、地図職人は真偽のアレな情報をもとに地図を書くわけです。

まあぶっちゃけ、そこに何があるかわかんない空白地域が山ほどあるんだけど、地図職人的には空白にしといたら無能に見えちゃうじゃん、みたいに思って、なんか描いとこって思っちゃうらしいですよね。だったら真偽よりロマン怪物とかさ描くよね。それが地図職人ってもんよ。

あとは怪物の代わりに幻島を描くケースね。
地図職人の幼妻に「わたしの島が欲しいわ」なんておねだりされたら書き加えちゃいますよね?「黄金がいっぱいでフルーツもたーくさん、プライベートビーチもあるよハニー!」そう。理想郷(Eutopia)

そんなたわいないニャンニャンがもとで生まれた地図ってのは実際にあるんですよ。こういった地図を信じた山ほどの海の男がどこにもない場所(Utopia)に消えていったんだ・・・。


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