見出し画像

日本酒沼への招待 ~私が日本酒を好きになったきっかけ~

はじめまして.
主にX(旧Twitter)で日頃飲んだ日本酒を気ままに紹介している りくあ と申します.
そんな私が日本酒を好きになったきっかけを,自己紹介を兼ねてまとめてみました.

というのも,元々私は日本酒が苦手で自ら進んで飲むことは全くなく,何なら「罰ゲームで飲まされる質の悪いお酒」といった印象を持っていました.
しかし今では毎日のように日本酒を飲み,日本酒を通して交友関係もかなり広がりました.
普段からお酒を飲む方でも日本酒をメインに飲まれる方は多くないと思います.
そんな方々に日本酒も一つの選択肢として認識していただくために,私が何故日本酒に行き着いたのかを発信することで,ほんの少しでも興味を持つきっかけとなり,日本酒を好きと思う人が1人でも増えれば嬉しく思います.

大学時代
人と話したり遊んだりすることは比較的好きな方で,飲み会に行ったり宅飲みはよくしていましたが,お酒を飲むとすぐに顔が赤くなってしまうこともあり,日本酒どころかお酒自体がそれほど好きではありませんでした.
昔から炭酸が苦手で炭酸飲料はほとんど飲んだことがなく,サワー系は炭酸がダメ,ビールは炭酸に加えて苦味が強くダメ,焼酎や日本酒など他の酒類はアルコール臭がダメ.
結果的に行き着いたのは甘くてアルコール度数の低いカクテル類で,当時はカシスオレンジやファジーネーブルなんかを飲んでいました.

社会人生活の始まり
大学を卒業してメーカーに就職し,社会人として働き始めると,職場の同僚や同期との飲み会も定期的に開催されるようになり,お酒を飲む機会は少しずつ増えていきました.
会社の飲み会ともなるとやはりカクテルの注文を遠慮してしまうこともあり,あまり得意ではないビールを頑張って飲むことが多くなりました.
そうは言っても苦手は苦手.
ビールは飲めても中ジョッキ1杯が限度.2杯目は飲むスピードが極端に落ち,グラスの温度も上がって余計飲めなくなる,という感じでした.
それでも飲み会の雰囲気そのものは変わらず好きで,無理に飲まされるような文化もなかったので,お酒の付き合いとしては特に不自由なく過ごしていました.
ただ,一緒に飲みに行く人に日本酒を飲む人がほとんどいなかったこともあり,日本酒に触れることは全くなかったです.

九州への転勤
会社に入って約7年が経過した頃,仕事の都合と自身の希望がマッチして九州へ転勤することになりました.
自分とお酒との付き合い方が大きく変わったのはこの辺りからです.
転勤前と比べて時間的な余裕が生まれ,家に帰っても何もすることがなかったこともあって,外に飲みに行くことがかなり多くなりました.
最盛期は週6日ペースで毎日24時過ぎまで飲み歩く生活が続き,九州の地域柄もあって焼酎や日本酒などの今まであまりアクセスしてこなかった酒類に触れる機会が増えたものの,印象は相変わらず苦手でした.

さらに大きな転機は新型コロナウイルスの大流行でした.
緊急事態宣言の発出により飲食店は休業を余儀なくされ,飲み歩いていた毎日は強制的に終わりを迎えました.
月の飲み代で散財し過ぎて貯金がどんどん減っていたので,今になって振り返れば助かりましたが….

私が住んでいた地域は都会というよりはどちらかといえば田舎.
緊急事態宣言を含む規制の影響は特に著しく,出歩く人はもはや罪人のような扱いを受けることも少なくなく,結果的に家に居る時間がとても長くなりました.
暇を持て余した結果,YouTubeで見つけた「サケラボちゃんねる」を観て,日本酒に少しばかり興味を持ちました.
たまたまそれと同時期に,知り合いから新潟県の越銘醸が醸した「山城屋 Special class」をいただき,それを何気なく飲んだ時にこれまでの日本酒に抱いていた印象は一変しました.

山城屋 Special class

度数の高いアルコール感は少し苦手でしたが,一切の雑味を感じず,喉が熱くなるようなイガイガした刺激もなく,スーッと滑らかに流れていく不思議な感覚.
これまで日本酒を忌避してきた自分にとって,自分でも飲める日本酒があるということを初めて認識した瞬間でした.

飲める日本酒があると知った私は,東京へ出張した際に地酒を多く取り扱っている酒屋さんに行ってみることにしました.
しかし当時の日本酒の知識はほぼYouTubeで得た浅薄な知識のみ.
それだけではさすがに頼りなく,店員さんと相談しながらみむろ杉,仙禽,鳳凰美田など数本を選びました.
そんな時,お店の奥から出していただいたのは,かの有名な十四代.
今振り返っても,明らかに日本酒初心者丸出しだった私に出してもらえたのか…本当にありがたい限りです.

後日、買った日本酒を職場の同僚と自宅で飲む機会を設け,そこで開栓した「十四代 龍の落とし子 大極上生」.
これに大変な衝撃を受けました.

十四代 龍の落とし子 大極上生

美味い!

「自分でも飲める」ではなく,明確に「美味しい」と思える味わい.
グラスから立ち上がる華やかな香り,口当たりの爽やかさとフレッシュ感,口の中で広がる濃厚な甘味,全く雑味のないすっきりした旨味,穏やかな後味の余韻に続く綺麗なキレ.

一瞬で四合瓶が空になり,それと引き換えに日本酒沼に引きずり込まれた男が生まれたのでした.

そして現在
こうして日本酒に魅了された私は今や毎日の如く日本酒を飲み,日本酒を通して知り合いも増え,楽しい日本酒ライフを送っています.
相変わらずお酒への耐性はあまり強くなく,飲む量は1~2合くらいですが,私が日本酒の美味しさと楽しさに気付けたのは様々な偶然と出会いが重なった結果であり,今では本当に感謝しています.
日本酒に苦手意識を持っている方も多いと思いますが,私が美味しい日本酒に出会えたように,美味しいと思える日本酒があるかもしれないと思ってもらったり,1人でも多くの人に日本酒への興味を持ってもらったりすることで,日本酒業界にほんの少しでも恩返しができればと思っています.

何も影響力があるわけではないですが,日本酒に関することを少しずつでも発信していければと思っています.
よろしくお願いいたします.

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?