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三流カメラマン戦記 -スクールフォト編②-

私は折角フリーランスになったのだから、自分の好きなものを撮影して生きていきたい、と常々強く思っていた。

私は今年で40歳になったが、スクールフォトの現場でお会いするカメラマンの多くが年上で、中には(推定)70歳近い人も居る。
自分より年下にも遭遇するが、かなり希少である。
感覚的に平均年齢が45歳〜50歳くらいではなかろうか。

スクールフォト業界は高齢化が進んでいる、と先人のnoteに書かれていた。
確かにその意見には納得できる。しかし、
そもそも昔は若い世代もスクールフォト業界で活躍していたのだろうか?

野心ある若きカメラマンが、果たしてスクールフォトの世界に本腰を入れて足を踏み入れるだろうか?

花形のポートレートをはじめ、報道、スポーツ、風景など様々な撮影ジャンルが存在する中、スクールフォトを選択するのか?

スクールフォトよりも間口の広いブライダル業界は、多くの若いカメラマンが活躍しているのは何故だろうか?

写真学校に通っていた頃にブライダルカメラマン志望の女性が一人いたことを思い出した。
彼女は卒業後、就職して社員カメラマンとしてブライダルを撮影しているらしい。

ここで気づいたのだが、ブライダル業界では業務委託のカメラマンももちろん居るが、社員カメラマンも多くを占めている。
これは直接学校から仕事を受けているカメラマンと業務委託のカメラマンがひしめくスクールフォト業界にとっては稀なのではないだろうか。

色々なカメラマンに出会ってきて、社員カメラマンを目指す人がいて当時はビックリしたものである。
冒頭でも書いたとおり、カメラマンになったのなら自分の好きなものを撮って生活するべき、というのが当時の私の脳みそに刷り込まれていたのだ。

長年フリーを続けて、毎月入る収入もバラバラで、依頼が来ることを待つ先の見えない生活をするよりは、社員として安定したカメラマンを続けるほうがいいのかもしれない、と思えるようになった。

話をスクールフォトに戻す。

個人的に、スクールフォトを撮っていても楽しいと感じたこと、やりがいを感じたことがなかった。
子供は好きではないし、撮影内容もお世辞にもクリエイティブとは言えない。おまけにギャラもよろしくない。

何より、スクール撮影をしている喜びというか、誇りというか…それらを感じることができなくなってしまい、心ここにあらずといった状態で撮影に臨んでいるのが現状である。

段々とやる気が削がれていき、撮影依頼も断ることが多くなった。

それでも、現在もだらだらと依頼を引き受けているのは、生活の為である。

年間を通してスクールフォトに入る日数はたかが知れてるので、依頼を完全に断ってしまってもいいかもしれないが、身体が動く内に稼げるだけ稼いでおきたいので、今も惰性で続けている。

スクールフォト業界は昔と比べれば衰退しているかもしれないが、それはスクールフォトに限った話ではなく、写真業界全体が厳しいのが現状である。

次回に続く

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