読書の仕方について
2023年7月27日 11時頃
読書の仕方というのはいろいろあるだろうが、おおむね精読と速読の二種類に分けることができると思う。精読というのは一文一文理解しながら読む読み方であり、速読というのは情報をスキャニングするようにして要点だけさらえる読み方だ。実際の読書においてはこの二種類の読み方を組み合わせることになる。つまり、じっくり精読しようと思っても、ある程度読み飛ばす部分はあるだろうし、反対に速読しているときに目に留まった箇所をあとから読み返すということをしたりもする。
精読と速読のどちらが難しいかというと、僕には後者の方が格段に難しい。というのも、精読よりも速読の方が集中力が必要だからだ。なんとなく、精読というと文章の隅々まで読まなければならないのだから、ざーっと読めばいいだけの速読よりもより集中を要しそうであるが、実際には精読には文を一文だけ読んで本から眼をそらし、今読んだ文章についてゆっくりと考えるという楽しみがある。それに対して速読だとそうはいかない。情報を見落とさないように常に気を張ってなければならない。
文章を読んでいると、ふっと何かアイデアが頭に浮かんでくるものだ。それを払いのけて本を読み進めるのは困難であるし、少しもったいないようにも思う。当然、多くの情報を得ようと思えば速読をする方がよいのは言うまでもない。しかし、理想的な読書は精読であると僕は思っている。とりわけ、文学や哲学というのはじっくり味わう方がその本の面白みが分かると言うものだ。
ただ精読にもやはり問題はあって、僕のように興味が持続しない人間であると、その本を読み終わる前に別の本に目移りしてしまうということだ。そうなってしまうと、文章を読む楽しみだけを得て、ほとんど何にも知識を得ないままになってしまうこともある。僕が本を読めていないと感じるのはだいたいこのようなときだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?