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精査コストを最適停止しよう

みなさんはなにかを選択をする時にどれくらい悩みますか?
僕は結構悩むほうです。

だから毎回選ぶのが一苦労です。
たまに面倒くさくなって「えいや」と強引に決めてしまうこともあります。

ごく自然にやっていることですが、どれくらい悩むかについてもちゃんと合理的な根拠を持っていなければなりません。

今回はそんな「精査コストの最適停止を見極めよう」という話です。

意思決定に関する2つの法則

いきなりですが今回の紹介する2つの法則を挙げてみます。

・精査をする労力と意思決定の正確性はトレードオフの関係にある。
・精査コストの最適な大きさと意思決定の重要度は比例する

この2つです。
難しく書いてみましたが2つともめちゃんこ当たり前なことを言っています。

考えれば考えるほど精度はあがる

まずは一つ目の「精査をする労力と意思決定の正確性はトレードオフの関係にある」についてです。

人はなにかの選択に迫られたときには必ず精査コストが発生します。
高性能パソコンのように何事も一瞬で決めれればいいのですが人間はそういうわけには行きません。
時間が無限にあれば満足が行くまで十二分に悩みきって決断すればいいですがそういうわけにも行きません。

僕たちには考える時間が必要だし時間は有限です。

ではどのくらい悩めばいいのということですが、ここで難しいのが悩めば悩むほど正確な判断ができるということです。
なんかを購入する前に5分で選ぶのと10分で選ぶのとであれば10分悩んだほうがおそらくいいものが買えるし
もっと言えば1日かけたほうがもっと納得のいく選択ができるでしょう。
(例外的に悩みすぎて逆によくない選択をしてしまうということもあるかもしれませんが、それはあくまで例外としましょう)

これを言い換えると
「精査をする労力と意思決定の正確性はトレードオフの関係にある。」
と言えます。

重要なものほど悩んだほうがいい

では2つ目の「精査コストの最適な大きさと意思決定の重要度は比例する」
についてです。

これも簡単です。
重要度の高い意思決定の方が正確性が高まることによって得られる便益が大きいからですね。
逆に言えば「重要度の高い」ということ自体が「正確性が高まることによって得られる便益が大きい」ものと定義づけられます。
そのままですが重要度が低ければ低いほどより早く精査を停止すべきですし、重要度が高ければ高いほど精査の時間を長くとるべきです。

コンビニでポテトチップスの味を何時間の考え続ける人はいないでしょうし、不動産を買うのにネットでだけ見て内見せずに即決する人もいないでしょう。

これが精査コストの最適な大きさと意思決定の重要度は比例するということです。


最適停止を見誤りがちなパターン

さてここからは経験則ですが、僕らの日常では本来の最適停止位置よりも精査しすぎてしまったり逆に精査をしなさすぎたりしていることがよくあります。

例えば今あなたが会社に努めているとして副業を始めようか迷っているとします。
果たしてどれくらい迷うべきでしょうか?
少なくとも2,3日は迷ったほうがいいかもしれません。
本やネットである程度情報収集してからのほうが良いに違いないでしょう。
でも一週間もあればネットや本でのリサーチなど終わってしまいます。

いや、すでに副業をし始めている人の生の意見を聞いてからのほうがいいかもしれません。
何人か聞くとしてスケジュール調整もありますから一ヶ月くらいはかかるかもしれません。

ではそれ以上に精査する時間を取る必要はあるでしょうか?
実際には副業を始めようと思って一ヶ月で始められる方は少ないように思います。

この場合は「未知のものに踏み出すのが怖い」という別の動機のせいで精査コストを本来の最適停止位置よりも多く取りすぎています。


では次はあなたがなにか大切な契約を結ぼうとしているとします。
どれくらい契約書について精査するべきでしょうか?

どんな契約においてもですがですが契約とはこれからの取引のすべてを取り決めを行うものです。
大げさなようで大げさでもないのですが契約書の最後の最後に「ただし○○の場合はこの契約は無効とする」なんていうミステリー小説張りのどんでん返しが書かれていることもあります。
少なくともすべての文には目を通して不明点は相手に確認するくらいには精査する時間を取るべきではないでしょうか?

しかし実際にはそこまでの確認行われないことが多々あります。

この場合は単純に面倒くさいという動機が精査コストを本来の最適停止位置よりも小さくしか取らせなくしています。


総じて言えることは「最適停止位置を見極めよう」とは全く別の動機のせいで本来の最適停止位置から遠ざかっているということです
上記はほんの一例ですがみなさんも身近に心当たりはありませんか?

まとめ

行動経済学には探索コストの最適停止という概念がありますが今回は僕なりにより一般化して「精査コスト」としました。

その人や環境によって精査コストの最適停止位置は変わるので毎回完璧な最適停止をするのは不可能ですが常にこのことを頭に入れて置かなければなりません。
感覚に頼ると本来の合理的な意思決定プロセスから外れてしまいます。
それは人間は元来自分に甘い生き物だからです。

甘いからといって「しっかりしろ」と自分にハッパをかけるだけでは建設的ではありません。
今回述べた法則を頭に入れて淡々と最も合理的な意思決定プロセスをとれるようにすることが重要だと思います。
みなさんも意識してみてくださいね!

精査コストを最適停止しよう2

精査コストを最適停止しよう3

精査コストを最適停止しよう4


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