Hey Siriで窓の鍵を自動化するスマートロック装置を作ってみた
最近は、1万円ちょっとで、家の鍵を簡単に遠隔操作できるスマートロックがAmazonなどで多数売られている
これは、便利ではあるが、一軒家などで庭に出入りするとき、掃き出しの窓から出入りするが、ここに使われている一般的なクレセント錠に対応した後付けのスマートロックは、基本的に商品化されていない
一軒家の場合、ここの鍵を外からかけたい(開けたい)というシチュエーションは、少なからず発生する。
そこで、安価なデバイスを集めて、自宅の窓にスマートロックを作った話
1.開錠装置
まずは、クレセント錠を動かす装置を作る。クレセント錠は基本的に180度回転する事で、ロックとアンロックをする構造だが、クランク機構だけで、180度回すの辛い。
そこで鍵の開閉だけに着目すると、90度の回転だけで設計する事にした。身近に90度回る機構のものを探したところ、ドアミラーが捨ててあったので、分解してモーター部を取り出した。(下記は今回使用したものと同じもの)
モーターを駆動してみると、実際には45度しか動いておらず、そのあたりを考慮し、ざっくり3Dで実寸をシュミレーションした
クレセント錠の、開から閉を90度として、つまみ部分のストロークは、上下に約5センチ。これを45度の回転で補えるように、モーターにつけるアームの長さを調整した
2.モーター制御
モーター制御は、12Vのプラス・マイナスを入れ替えるだけなので、シンプルに、リレー2つでつぎのような回路とした。モーターの両端は、常にマイナスに接続されていて、SWを押すと片方がプラスとなり、どちらかにモーターが回る。アームが止まるとモーターに過電流がかかるように見えるが、ドアミラーの中に安全回路が入っていて、自動で電流をカットしてくれる。これはドアミラーを流用している点のメリット。
モーターの制御方法が決まったら、arduinoにつなぐ。
arduinoでは、直接リレーを駆動できないので、トランジスタを介して制御する。またリレーのサージ対策として、フォトカプラも間に入れた。
部品とか
ESP-WROOM-02開発ボード 1280円
12VACアダプタ 500円
3端子レギュレータ 5v 1個
トランジスタ2個
5vリレー2個
フォトカプラ2個
ユニバーサル基板1枚
ダイオード2個
ドアミラー ヤフオクで1000円くらい
鉄ステー 90mm 1枚
アクリル板
ワイヤー 100円ショップ
計3000円弱
3.プログラム
プログラムのベースは、ほぼこのサイトの通り。ロックとアンロックをブラウザから送信すると、GPIO12とGPIO13に出力が3秒間出るようにした。
4.siriにショートカットを設定
siriのショートカットの設定をする。
ショートカットのアプリを開き、新規作成して、「アクションを追加」 webのタブから、「URLの内容を取得」を設置する。ショートカットのタイトルに、「ロックして」などにする。同じように開錠用のショートカットも作成。
Hey Siriで、タイトルにつけた言葉を発声すれば、ロック信号をarduino経由でモーターに電気が流れる仕組み
5.VPNで外出中も操作
基本的には、家を出る時と帰って来たときに操作するものなので、家のwifiにつながった状態で操作すればよいのだが、VPNを設定すれば、外出中でも操作できるようになる。wifiルーターの機種によっては、VPNサーバの設定が手軽に行える。例えば、TP-LINKのルーターの場合、下記サイトのようにルーターの管理画面から、設定が行える
VPNサーバが設定できたら、iphoneにVPN接続の為の設定をします。設定方法は下記サイトなどを参考にするとよい
VPNが繋がれば、自宅ネットワーク内のデバイスに、同じIPアドレスでアクセスする事ができるので、施錠・開錠も地球の裏側からでも出来るが、目視で確認した方が確実なので、あくまで緊急用。
6.セキュリティ問題
まず、家の防犯でいえば、クレセント錠が一番弱い部分。この点は、自作のスマートロックとは関係なく、家全体、他の窓もウィークポイントなので、今回はその事について言及はしない。うちでは、防犯カメラやセンサーライトなど、他の方法で、侵入されにくいように工夫している。
ネットワークは、wifiのパスワードをしっかりする事。WEBページは、80ポートを使わない事。VPNは使わないほうが安全などが上げられる。
arduinoのソース
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