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栗と柿と冷静な査定16

2人は急に何もかもどうでもよくなった。
過去のことや夢のこと、仕事のことやキリンのこと、ホテルで過ごしたことや好きな芸能人とデートした夢を見たこと、何もかもが一切これからの自分たちとは関係ないことに気付いたのだ。

「さて、どこ行く?」

彼が彼女に訊ねた。

彼女は言った。

「岡山県奉還町にあるローマの休日に行きたい…」

「わかった。でも、泊まりになるよ?いいの?(エッチする?)」

「うん。いい。(する)」

2人はサクッと高速に乗り、岡山の奉還町の1時間700円のパーキングに車を止めた。

おかやまに2人で来るのも何度目だろうか?

そんなに酒が飲めない2人(しかも一人はドライバー!)なのでBARでデートするのは忍びなかったが、幸いなことにローマの休日にはノンアルコールカクテルが豊富だ。

時間はまだ16時。
開店まで4時間もある。

「どこ行こうか?」

彼は私に言った。

「んーじゃあ図書館行きたい」

「図書館?わざわざ岡山まで来たのに?」

「うん、いろんな土地の図書館見るの好きなんよ」

「ふーん、ま、お金もかからないからいっか。あ、でも図書館17時までだって。」

彼は最寄りの図書館をスマホで調べながら彼女にそう言った。

「うん、1時間で充分。だいたいそれだけあれば1冊の半分は読めるし。」

「そんな読むの早いの!?」

「集中してれば、ね。だから邪魔しないでね(笑)」

「えー😂」

彼は内心寂しかった。せっかく会えたのに別行動かぁ。ま、でも今夜は泊まりだし、ゆっくり夜を楽しめればいいか。

そして2人は岡山県のまちライブラリー奉還町というスペースに向かった。

つづく

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