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栗と柿と冷静な査定21

映画BARローマの休日での楽しい夜はあっという間だった。結局なんだかんだ2時間ほど滞在し、2人合わせて6杯ほど飲んだ。
お会計の時に彼がちょっと焦っていたのが可愛かった。彼がカードを切るところを初めてみるなあと思いつつ、いつものようにお礼を言った。

「ありがとう♥」

彼はニヤッとしてこう返してきた。

「あとでゆっくり返してもらうからな(^^)」

「何を?(笑)」

そんな会話を、マスターのとっきーが醒めた目で見ていた。

(このお客さん、今度はいつまで続くかなぁ)

「じゃ、とっきーありがとう!また来るね!」

そう言って彼女は彼と腕を組み店の外へ出た。気温は5℃。かなり冷え込んでいる。

「寒いね😣」

と彼が言った。

「そやね😣」

彼女は彼に軽くハグをした。

「こらこら、人前やからね」

彼はそう言いながら、明らかに嬉しそうだった。

ふたりはほろ酔い気分で今夜のホテルへと向かった。

寒空の中、月が輝いていた。

つづく

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