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Webサイト発注時のベストプラクティス

先日、株式会社WACULさんから「RFPは目的/予算/納期だけでよい。Webサイト発注時のベストプラクティス」という研究レポートが発表された。

発注者側が、優秀なデザイナーやディレクターに担当してもらい成果を出すためには「発注者はどのように振る舞うべきか」を制作会社側にアンケートをとり調査をされているが、私はその回答者のうちWeb制作会社のディレクターの一人として参加した。今回は、そのアンケート結果をみながら考えていこうと思う。

案件はいつだって優秀メンバーのリソース奪い合いなんだぜ

大前提、Webサイト制作事業は「労働集約ビジネス」である。「予算が潤沢である」など制作会社にとって魅力的な案件でなければ、優秀なデザイナーやディレクターがアサインされることはまずない。

これは確かにそうかも知れないw
自社にとって有益な案件が同時期に走っていたらそちらに優秀メンバーを入れるかも。おざなりにする訳では無いが、制作会社はいつだって複数の案件がまわっているので、どうしたって重要度の濃淡がついてしまう。

目的から一緒に整理して考えるのもソリューションのうちのひとつ

「目的に対しサイトを作る必要がない」案件は最もやる気が出ない

RFPを確認したときに「あまりやる気がでないな」と感じる案件の第1位は「目的に対し、Webサイト制作の必要がないと感じるもの」(75.8%)。また、案件を断る場合においても同様の理由が上位にあがっている。発注者側が設定した目的と手段がズレている、あるいはそもそも目的が不明瞭であるケースが多い証拠である。

これは、ちょっと私は違うな。
目的を伺って、私達のほうでも整理したうえでもやはり「課題に対する解決策はWebサイトを作るではない」という答えになったとしたら、Webサイト以外の、課題解決策をご提案するな。

自分の所属会社が「Webサイトしか作りません会社」であればお断りでも、「Webサイトはあくまで課題解決ツールのうちの一つとして、その他のWebで解決できることを考えてみるよ会社」のうちだからかな。

発注者側が設定した目的と手段がズレている、あるいはそもそも目的が不明瞭であるケースはたしかに多い。
ご相談いただき、ヒアリングして聞けば聞くほど迷いの森へ誘われる。
まさに、「目的及び手段を一緒に整理、考えてあげる」ことがもう既に受ける側の腕の見せどころというか、ソリューションのひとつだと思う。なかなかそれが出来た状態で相談してくれる人は少ない。

この世はいつだって対価交換

「コンペ」は14%「デザイン提案」は32%が一切受けないと回答
制作会社にとってよほど魅力的な案件でなければ「コンペ参加」「デザイン提案」を求めた時点で断られることになる。

これはそう。少し言い方が悪いが、コンペや提案段階(受注確度が低い、不確定)の段階で、しかもコンペフィー等無しで、なぜそこまでやってもらえると思っているのかは不思議。会社によっては、コンペフィーや提案デザインに費用を支払うところもあり、そういうところは良い会社だと思う。
きちんと、対価というものを認識しているという、ひとつの価値観をはかる基準にもなると思う。

ありがたいことにうちは色々な会社様からお声がけをいただくことが多いが、中には制作会社を下に見てくるところもある。
そういうところこそ、これくらいタダでやってよ。そんなの当然でしょ。って思っているものだ。
案件を受注したとしても、進行の中でそういうのがどんどん出来てきて、結局いつもWebディレクターが苦労するのだ。

お金の価値観。大事。

人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない。何かを得るためには同等の代価が必要になる。と、はエドワード・エルリックも言っている。
提案のプランニングやデザイン作成にも人の労力=工数=お金がかかっているのだ。

コミュニケーションコスト

打ち合わせ後「コミュニケーションに難あり」で断った人が47%

依頼主から “詳細な説明を聞いた後” にお断りした理由として多かったのは「お客様がこちらからの提案を聞き入れてくれる素振りがなかったから」(47.0%)。発注者のコミュニケーションがいかに成約に影響するかが伺える。

これもそう。初回ヒアリングで話した時に、違和感やそのあたりの苦悩が見えたらお断りするケースも多いな。コミュニケーションコストを考えてしまう。
また、担当者が難有りだけどお客様の会社自体は良い評価で案件自体は受けたい、という場合は、ディレクション費を積んだりするかな。

逆算出したWeb制作会社群から一歩抜け駆けするには

回答結果から逆に考えてみた。

  • 株式会社WACULさんのレポートを読んでいる(100%)

  • コーポレートサイトの制作費目安500~1,000万円(13.6%)

  • 案件の獲得ルートは「既存顧客のリピート」(74.2%)と「顧客からの紹介」(71.2%)が大多数を占める

  • 「自社の強み」は「戦略策定」(68.2%)と「総合提案力」(54.5%)

  • 従業員数10名以上50名未満(33.3%)

この層は世の中に多いんだよなあ。うちもあてはめてみるとこの辺りに分類するのかなと思います。
世の中にはたくさん競合がいるということで、その中でどうやって新規顧客を獲得していくのか。考えるところですね。
次回は、どうやって制作会社を選んでいるのか。を発注者側の方に聞いてみてほしいです!

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