【7分くらいで分かる】光の3原色・色の3原色
はじめまして。株式会社リオの草田です。
リオには去年の2月に仲間入りしまして、早いもので約1年半たちました。
周りの先輩方にフォローを頂きながらですが、1人で担当案件をこなせるようになってきました。皆さん、いつもありがとうございます。
リオに入社する前は印刷会社に勤めていて、紙、軟包装、パッケージと色々な印刷媒体の仕事に携わってきました。
今日はそんな元・印刷会社の私がWEBと印刷物で大きく違うなぁと感じた色についてお話しようと思います。
難しい専門用語はなるべく使わずお話しますので、気楽に読んで下さいね。
WEBは光の三原色・印刷物は色の三原色
皆さん「光の三原色」「色の三原色」という言葉は聞いたことはありますか?既にご存知の方もいらっしゃると思います。
パソコンのディスプレイなど、光を使って色を再現するWEBは光の三原色、それに対して紙に絵の具を塗って色を再現する印刷物は色の三原色が使われています。
色を再現する媒体がディスプレイなのか、紙なのかで色の見え方が変わってきます。
光の三原色とは?
まずは光の三原色について説明します。
その名の通り、光で色を再現する時に基本となる3つの色のことです。
赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)で表現します。
それぞれの色の頭文字を取ってRGBという言い方をします。
この3色を混ぜれば、大体の色を表現することが可能です。
イメージとしてはライトの光を混ぜる感じで、
光の足し算だと思って下さい。
光の3原色のスタートは黒
そんな光の3原色スタートの色は黒になります。
では、なぜスタートの色が黒なのでしょうか?
パソコンやテレビの画面を思い浮かべてみて下さい。
画面のスイッチがオフの時、画面って何色ですか?
真っ黒ですよね?
なぜ真っ黒かというとライトが照らされていないからです。
スイッチを入れるとRGBのライトが照らされ、それぞれの光が足し算された結果、色が再現されます。
分かりやすく図にしてみますね。こんな感じです。
(クリックすると大きな画像で見れます。)
RGBの3つが重なった真ん中は白になります。
このことから、光の3原色は混ぜれば混ぜるほど色が明るくなるので加色混合(かしょくこんごう)なんて呼ばれ方もします。
光の3原色で気を付けること
何でも再現できる光の3原色ですが、
色を再現するモニターの管理には注意が必要です。
実はモニターの色温度の経年変化で、白がだんだん暖色系に変化してしまうんです。白いシャツの襟元と一緒で、だんだん黄ばんでくるんです。
そして、白が黄ばむと言うことは、他の色も黄ばんで見えるということです。つまり、全体的に色の再現性が悪くなっていきます。
また、モニターの経年変化以外にも、モニターの個体差によっても再現のされ方が違ってくるので注意が必要です。
AさんとBさんのモニターで色の見え方が違うなんて事態になってしまいます。
色にシビアな案件を取り扱う場合は、キャリブレーションを行って、見た目ではなく、数値で管理することをお勧めします。
キャリブレーションについて詳しく知りたい方はこちら!
色の三原色とは?
さて、次は色の三原色について説明します。
色の3原色は、絵の具(印刷業界ではインキと言います。)を使って色を表現します。
基本となる3つの色はシアン(Cyan)・マゼンタ(Magenta)・イエロー(Yellow)です。
この3色にキープレートと呼ばれる色(ここでは黒のことだと思って下さい。)をプラスして、大体の色を表現することが可能です。
それぞれの色の頭文字を取ってCMYKという言い方をします。
キープレートについて詳しくはこちら!
3原色と言いつつ、4原色になってますが、このキープレートが有ると無いとで黒の見え方がかなり違います。こちらをご覧ください。(クリックすると大きな画像で見れます。)
いかがでしょう?
キープレート無しだと、黒が若干グレーっぽく見えるかと思います。
キープレートが入ることによって、黒に限らず全体的に色をグッと引き締めて見せることが出来ます。
色の三原色のスタートは白
光の3原色のスタートが黒だったのに対して、色の3原色スタートの色は白になります。これは紙媒体がメインであることに由来します。
光の3原色が光の足し算だったのに対して、こちらは色の足し算です。
イメージしやすいように図にしてみました。(クリックすると大きな画像で見れます。)
上の図のCMYが重なっている真ん中を見ると、色が暗くなっているのを確認して頂けるかと思います。
このように色の3原色は光の3原色と反対で、混ぜれば混ぜるほど色が暗くなっていくことから減色混合(げんしょくこんごう)なんて呼ばれ方もします。
色の3原色で気を付けること
大体の色を表現できると言いましたが、蛍光色、金や銀などは表現出来ません。専用に調合されたインキがあるので、印刷する時はそちらを使用します。印刷業界では特色(とくしょく)なんて言ったります。
余談ですが、企業ロゴなどで使用されるコーポレートカラーと呼ばれる色は、それ専用で調合されている色があります。(某大手携帯会社さんのオレンジなど。)
また、紙の種類や厚さ、印刷方法、網点(あみてん)、網角(あみかく)、気温、湿度などなど…様々な条件によって再現のされ方が左右します。
印刷会社に入稿される原稿はデータ=光ですから、光で再現されているものを、紙で同じように再現しようとすると色々とメンテナンスが必要になってきます。
色だけにね…!!( ゚Д゚)クワッ
今のはスルーして頂いて大丈夫です。
RGBとCMYKでこんなに違う
百聞は一見に如かず。
RGBとCMYKでこんなに色の見え方が違うんだぞっていうところをお見せしましょう。(クリックすると大きな画像で見れます。)
写真素材:フリー写真素材フォトック
花びらの色を見比べると分かりやすいかと思います。
CMYKの方がくすんで見えませんか?
まとめ
さて、最後に光の3原色と色の3原色の違いをまとめて締めようと思います。
光の3原色
1. 基本の色
RGB(赤・緑・青)
2. 色を再現するもの
ディスプレイ
3. スタートの色
黒
4. 気を付けること
モニターの経年変化や個体差など再現性が変わってくるので、
定期的にメンテナンスする。
色の3原色
1. 基本の色
CMY(シアン・マゼンタ・イエロー)+K(キープレート)
2. 色を再現するもの
紙
3. スタートの色
白
4. 気を付けること
・蛍光色、金銀は再現できない。
・RGBに比べて色がくすむので調整が必要。
今回の内容でRGBとCMYKの違いについて理解を深めて頂けたら嬉しいです。最後まで読んで頂いて、ありがとうございます。