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【ショートエッセイ】文化は世代を超えて行く

一回り以上年下の部下と社有車で往復2時間の出張に出掛けた。
車の中でどんな話をしたか思い起こしてみよう。
当然ながら会社の話が多くなる。
会社は間違っている、あの人は仕事のやり方が良くない、ともすれば同僚の批判まで。
良い話はあまりないし、これはサラリーマンの常なので、この件はここまでにしておく。

気付いたのは、その次に長く話したことだ。
プロ野球の話である。
子供の頃と現代のバッティングのスタイルの違い、印象的なピッチャーはだれか、思い出に残る名試合は?
そんなことを尽きることなく話した。
まるで小学生が好きなチームや選手について熱弁するように。
やはり日本男子には、プロ野球がまだまだ根付いているようだ。

その次は意外にも音楽の話だ。
一回り以上も歳が違うと、好きなミュージシャンが違うのは当たり前なのだが、お互いにちゃんと知っている。
知っているだけで話がどんどん弾む。
それはお互いに意外性を感じながら、共通点を見出したからに他ならない。
ぼくの青春時代はハウンドドック、チャゲ&飛鳥、レベッカなどなど。
彼の青春時代はZARD、WANDS、T-BOLANなどなど。
お互い微かに知っているだけだが、どのミュージシャンも当時の若者を熱狂させたことは知っている。
聞いていた曲は違っても、音楽の価値観が共有でしたと言うことだ。

世代が違うとそれぞれの文化も違ってしまうものだが、その文化は一過性のもので、すぐに忘れさられるものかもしれない。
日本人の心に根付いている文化は、世代を超えて生き続けることを改めて認識した一日だった。



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