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人間なんだから乗り越えられる

人は裏切る生き物なんだろうな。
言い換えれば、人を一切裏切らない生き方なんてできないんだろう。

野生動物は自分たちの家族だけのために生きる。
きつねにしてもペンギンにしてもライオンにしても、すぐ近くで親が殺されて、餌を調達する術を知らない子がいたとしても、その子の助けることはない。

自分の家族が生きていくことだけに執着する。

自分たちの家族以外の社会と関わって生きているのは、おそらく人間だけだろう。

他人と関わり合う以上、持ちつ持たれつの関係は必須だ。
その関係を続けていくうちに、信頼というものが生まれる。

こいつが厄介だ。

信頼は相手を信じることであり、決して愛ではない。
愛には自分を犠牲にしてでも愛する人を守る覚悟があるが、信頼はそこまで強いものではない。

人間も動物の一種だ。
自分の身を守る習性を持っていたっておかしくはない。
だからいざとなれば、他人より自分と自分の家族を優先する。
当たり前と言えば当たり前のことだ。

だが切り捨てられた方はどう思うのだろうか。
当たり前だから仕方がないと割り切れるだろうか。

信頼していたのに・・・。

信頼が大きければ大きいほど、裏切られたという失望感が大きくなる。

その念が怒りになり、やがて恨みへと変わる。

もう持ちつ持たれつの関係は崩壊する。
でも人間社会は関わりまでまだ絶つことができない。
信頼できなくなった人と笑顔をとり繕って接しなければならない。

こうなってしまえば、もう生き地獄だ。

野生動物と人間。
どっちが楽なんだろう?
どっちも世知辛いね。

生きるってことは、なぜこんなにも辛いんだろう。

でもまだ人間には野生動物にないものを持っている。

それは夢と希望。

これを無くさない限りは、どんなに辛くても生きていける。
これは生きていく上で最強の盾になる。
裏切られたって、どぉーってことない。

夢に向かって突き進んでいれば、そんなことに構っている暇がない。
希望があれば、そんなことが小さなことにしか思えない。

どんな小さな夢でもいい。
どんな小さな希望でもいい。
探してみよう。
きっと見つかる。
だって人間なんだから。

人間だから悲しいこともある。
でも人間だから乗り越えられる。

やっぱり野生動物より人間の方が楽しいよね。

小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。