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【連続note小説】日向食堂 小日向真司43歳

優しい子になってほしいと願って「優子」と名付けた。
優子は中学3年生になった。
優子:「お母さん、私、高校に行かずに働くよ」
あおい:「あら、どうして?優子は大人になったら、歳之おじさんみたいな弁護士さんになるって言ってたのに」
優子:「だって家はお金ないんでしょ」
あおい:「ないわよ。でもそれとこれとは別の問題」
優子:「どうして」
あおい:「歳之おじさん、お金なかったけど弁護士さんになったじゃない」
優子:「なんでなれたの」
あおい:「お父さんがいたからよ。お父さんがいれば何も心配しなくていいの」
優子:「・・・・・」
 
真司:「優子がそんなこと言ったか」
あおい:「どこかで聞いた台詞でしょ。お母さんから聞いてたわよ」
真司:「優子には大学まで行かせてやりたい」
あおい:「それはあなたの思いで、優子は優子の人生を選ばせてあげないと。
あなたが悔いの残る人生を送ったかもしれないけど、だからって優子の人生を縛るのはおかしいわよ」
 
確かにそうだと真司は思った。
ただし親に気を使って、人生の選択をさせてはいけない。
優子には自分に正直に生きてもらおう、真司はそう心に決めた。


▼関連エピソードはこちら


真司が生まれてから人生を全うするまでを連載小説として描いていきます。

<続く…>

<前回のお話はこちら>

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