回してください。
7年ほど前に親父が他界他界してしまったんだが、初めて喪主をつとめなきゃいけなくて、気が体に似合わず引き締まってたわけ。
お通夜も終え、告別式の終わりの挨拶もまぁまぁいい事言えたかなって感じで、僕の中ではそこで飛びそうなくらい気が抜けちゃったのね、7回の甲子園みたいに。ピーーーって。
そんでその後の初七日で事件は起こったのね。お坊さんがいて、その真後ろに僕と母と妹が座ってて僕の前に焼香台がありまして、お坊さんが「では焼香台を回してください」って仰ったので、ぼかぁね、何の迷いもなく時計回りにクルクルっとその場で回したよね。それを見ていた妹が「ま、回した〜」ってツッコミ調に言うもんだからもう声なき爆笑。後ろの人が見たら2人の肩がカタカタ揺れてるもんだから、号泣してるように見えてたみたい。
まぁこれからも何かと締まりきらない人生なんじゃないかなって、その時確信に変わったよね。
おしまい。
ありがとうございました。
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