有料化に代わるレジ袋削減のための政策とは


1.レジ袋への規制がつよくなった今年

2020年7月1日、レジ袋の有料化がスタートした。
有料化を受けてレジ袋の使用量が変化したかはもちろん重要だが、私は、日本人のよしやるぞ!という気持ちがついてきていない気がしていた。

レジ袋を減らすべきだからではなく、お金を払いたくないから

私は環境問題をみんなで取り組みたいという思いがつよい、将来はサステイナブルなまちづくりを仕掛ける側になりたい。

そこで、消費者にとって環境行動が当たり前になるメカニズムを知りたいと思った、私はただの大学生だが、レジ袋削減を目標とする政策立案者がどうすべきだったのかという視点で考える。

2.わたしの価値観について

前まで学校教育でもっと環境問題に触れることがあれば、環境問題に取り組むことになるのではないかと思っていた、つまり学校教育を環境問題に取り組むための基盤として考えていた。

でもそれは浅はかだった、そもそも教育現場に頼りすぎている、圧迫するだけで私の価値観の押し付けと化してしまう。

そこで私の理念的なものが[環境問題に取り組む基盤をつくる]から[環境問題に取り組むきっかけをつくる]に変化した。

3.環境行動のみなもとのようなものを探す

社会的ジレンマとしてのごみ問題ーごみ減量行動協力意志に影響する要因の構造ーという論文は、コンポスト、使い捨て商品を買わないこと、資源回収協力において人々がどのような考えをしているのか分析している.。下の分類について考えてみる。

なんかしたいゼミ 木山理子

コンポストや使い捨て容器を買わないといった行動は規範後発ルートにあたり、ゴミの分別のような資源回収協力は規範先発ルートに振り分けられた。

レジ袋削減を目的にした場合はどうであろうか、政策立案者は規範先発ルートに乗っ取って政策立案をすべきだったのか、一方規範後発ルートに乗っ取るべきであったのか。

有料化によって消費者の多くはいやいやながらもしなければならないという規範が後から発生したかもしれない。

私は人々がしなければならないという規範意識から動くことを無意識的に善にしているかもしれない、これには注意が必要だが日本人のレジ袋に対しての規範意識が低かった状態であったことから、レジ袋削減を目的とするならば、私は政策立案者が規範後発ルートに従って政策を考えなければならなかったのではないかと考える。

また論文によると規範後発ルートは、規範意識よりも先にコスト減少や問題の危険度を認知してもらう政策が必要らしい。

4.成功事例からまなんだこと

政策を仕掛ける側から見てみる。
上の論文の規範先発ルートから分別数の多さで有名な徳島県上勝町、規範後発ルートからコンポストを全国的に広める活動をしているLocal Food Cycling。web上に存在するこれらに関わる人へのインタビュー記事やニュースから学びを得た。

1つ目の共通項は、活動に新たなつながりを生むコミュニティとしての価値が存在していること。ゴミの分別に行くことで話す相手がいる、コンポストのことを質問しあうネットワークが存在するといったように。

2つ目の共通項は、活動目的が環境保全のみに留まらないこと、むしろ別の目的からスタートしている。上に挙げた住民のコミュニケーションの場としてはもちろん、焼却炉を止めることになり代替を考えたかった町の議会、顔を合わせることで高齢者の見守りをしたいと考える福祉、花壇をよりきれいにするためにコンポストをしたい住民など。

これには、他のSDGsに積極的に取り組んでいる地域にも当てはまると思う。また住民に広く意図と活動内容が認知され、目標が示されることによって地域一体となって取り組む姿勢が印象的である。

5.それを受けて考えたレジ袋の削減のためには?

・環境問題への規範意識よりも先にコスト減少や、他の問題が偶発的に解決するケースが効果的(環境保全目的をアピールしすぎない)

・目的、内容を消費者に広める

・レジ袋を使わないことでできることやメリットに目を向ける→楽しむことができる

もっと具体的に考えたい、その思考の経過が↓

リュック型レジかご用バッグを使えば、スーパーのかごから自分の袋(レジ袋エコバッグ問わず)入れ替える必要がなくなる。

チェーン展開しているスーパーなどで、レジ袋のデポジット制はできないだろうか。有料であるという点で変わりはないため、その点削減を見込むことができるうえ回収に協力すれば、環境問題に貢献している実感を感じられるし、お金が返ってくる喜びがある。
ただし有害物や危険物が含まれていてはいけないので一定消費者の責任も問われるし、治安・防犯・衛生問題にも関わるのだろう、むずかしい。

6.さいごに

いろいろ考えてみたが、環境問題スタートじゃない方がいいということが分かって、環境にどのような影響があるのか、を理解しないまま人々に周知される可能性はあるなと、楽しいスタートが良いことは分かったけど、政策立案者はそれでとどまってしまうことは無いようにしてほしいと願う。

消費者がどのような思考の変化を経て、どのようなきっかけを与えていけば行動が持続するのかを考え続けなければならないと思う。そして、私はこれからも人々の心理をつかむ政策を考えられるように勉強を続けたい




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?