映画「ハッピーアイランド」で見据える''いつか''、
こんばんは
昨日は
アップリンク吉祥寺で上映中の映画
【ハッピーアイランド】
のアフタートークショーにゲストとして出演させていただきました。
渡辺裕也監督と二人で登壇し、
作品について感想や自分なりに思ったことなどを話させていただきました。
震災後の、福島を舞台に
主人公・真也が農業に関わり、
野菜づくりの魅力や農家の人々との交流をとおして成長してゆく物語。
''福島産''に対しての
さまざまな風評被害や偏見はいまだに続いていて
それに対してネガティブなイメージをどうしても持ってしまう私たちに
現地の農家の人々の
野菜づくりへの情熱やプライド、
「たとえ理解されなくとも」と
強く、たしかな信念を持ち生きている姿に胸があつくなる。
劇中にでてくる
「普通ってなんだろうね?」
という台詞には考えさせられるものがたくさんあって
''被災地''というタグや部類の中にカテゴライズされた土地で生きる現地の人々にとっては
野菜を作り続けることや
その土地で働き、生きること
側からみれば、それが凄いことのように思えるが
凄い、凄くない、ではなく
それが私たちとおなじ''普通''であるのだ。
メディアでは毎年、
3.11の追悼番組や報道番組でコーナーが組まれているが
そこに映っているのは、
人々がかなしんでいる姿や眼差し。
やはりどこか''悲しさ''が前面に出ている映像ばかり。
しかし、この映画では
現地で生きる彼らのたくましい姿勢や
前を向いて、未来に希望をもって目の前にあるものと真摯に向き合っている姿を映しています。
ひとつひとつの
田舎町らしいのどかな風景や
手料理から伝わる人のあたたかみ
人と人同士の心の寄り添い
どのカットを切り出しても
素晴らしい映像ばかり。
絶妙な斜光から感じ取れる真也の揺れ動く心情と決意もみどころです。
一度ついたイメージに対して、
諦め、妥協というかなしい感情ではなく
見えない、けれど感じる
"いつか"
をまっすぐ見つめて生き抜いていく人間の、人の姿は
今、私たちが最も知るべき事実であり、教えだと思います。
この作品を観れば、きっと自分の心の中の硬い部分がほぐれていく。
そんな映画です。
このような素敵な作品にこのような形で関わることができて光栄でした。
みなさま、是非に。
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