RINORUHA

アンファッショナブル・ファッション――アメリカン・ヘヴィーデューティー・ウェアのある日…

RINORUHA

アンファッショナブル・ファッション――アメリカン・ヘヴィーデューティー・ウェアのある日常を。

最近の記事

二十世紀最大の「ひょうたんから駒」。――5ポケットジーンズ――Part.2

※内容が不十分だったので加筆修正しました(4月23日)。 リヴェットを打ち込むという服飾に対する暴挙が、意味も機能も用をなさなくなった現在も象徴として打ち込まれている一方、同じく意味も機能も用をなさなくなって、消えたディテールもある。 かつて僕が服屋でバイトしていた当時、PL法(製造物責任法)が発動した。当時、その対策として様々な製品に過剰なほどの注意書きが添付されいたのだが、思わず吹いてしまったのがベルトのタグに掛かれた取扱説明書。そこにはこう書かれていた。「この製品は

    • 二十世紀最大の「ひょうたんから駒」。――5ポケットジーンズーー Part.1

      ほぼ間違いなく言えるのは「ジーパンを穿いたことがない人」を探すほど、難しいことはないだろうということ。今ではファストファッションでも安価で、しかもしっかりした生地感のジーンズが楽しめるし、またどんなに服のトレンドが変わっても常に消えることがなく、そして世代や性別を超えてボトムス界のセンターポジションに鎮座し続ける永久的な定番だ。であるからして、現代では誰もジーンズを穿くことに何の気負いも感じないのだ。しかしその変遷を辿ってみると、単なる「ズボン」のはずだったジーンズが、実に多

      • イントロダクション

        僕は、とある服飾の会社に長く勤めたこともあるし、現在はメンズのファッション誌に寄稿するライターでもあるけれど、最新のファッション全般やトレンドに目が利く人でもない。ある特定のジャンルの服や小物に対する探求心や物欲が、恐らくは突出しているのだろう。僕が傾倒するそのジャンルとは、20世紀のアメリカで生まれた ❝ミリタリーウェア❞ や ❝ワークウェア❞ を中心とした『アメリカン・ヘヴィーデューティー・ウェア』だ。40代後半から50代の御仁なら共感してもらえるだろうが、そのゾーンを外

      二十世紀最大の「ひょうたんから駒」。――5ポケットジーンズ――Part.2