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N型の説明が抽象的になる理由

N型の話が「抽象的」だと言われているのを目にしたことをきっかけに、N型の抽象的な説明とはどのようなものについて考えてみます。
私自身の自認はS型なのですが、N機能を使ってパターンを根拠に説明することがあるので、その時の感覚を頼りにN機能はどのように働いているのか考えてみました。




S型とN型の考え方の違い

まず、SとNの違いとして、

  • 感覚機能(S)は具体的な一つ一つに焦点を当てる

  • 直観機能(N)は複数の物事を一つのまとまり(パターン)として捉える

という対比がされています。


S型は「具体的にこの場合にはこの対処法」と、物事を細分化して考えます。
N型は「この流れであればこの対処法」と、複数の物事を “一つのまとまり” として考えます。

言葉遣いの違いとしては、
S型は「〇〇を〇〇する」と “目的語” があります。
N型は「〇〇する」と目的語がありません。

それに、S型の用いる語句は限局的であり、N型の用いる語句は包括的です。
例)S:〇月〇日、〇時〇分、〇〇さん、「〇〇」と言う
  N:春夏秋冬、朝昼晩、人、話をする

1から10まで一つ一つの工程を丁寧に説明するのがS型の特徴であり、多数の情報を少ない語数で伝えるのがN型の特徴であると言えます。

S型は具体的な対象が定まることによって実際の例に落とし込み理解ができるので、S型にとって詳細は重要になってきます。
対照的に、N型は「全般」を対象にしていて特定の一つに限定しません。詳細を説明しても伝えたい内容の中核は変わらないので、具体例を挙げることはN型の話の重点ではありません。

「N型は具体的な説明をしないのでS型にとっては分かりづらい」「S型から具体的な説明を求められてもN型は例を挙げづらい」という意見のすれ違いの背景には、このような認知の違いがあると考えられます。



N型の話し方の例

例えば、最近話題に上がっていたこれはNっぼい文のつくりだなーと思います。

これ本当に不思議なんだけど、
デート中に、段差があると「段差気をつけてね」とか、ロングスカート履いていて階段登る時は「スカート大丈夫?」って気にかけてくれて、コップを倒しただけで「怪我してない?!」って慌ててくれて、過剰に優しい人、一見いい人なんだけど、モラハラが多かった。

過剰に尽くすタイプも同じだと思うんだけど、人間どこかで見返りを求めてしまうものなんだろうなと思う。

・舐めてるからこそ面倒見がよくなる
・「気遣いできる俺」に酔ってる
というのもすごくわかる…

モラハラを100%見分ける方法はないと思うけど、どこか「過剰さ」を感じた時、割とその違和感は合ってたな。

まず1段落目で「過剰な優しさ」と「モラハラ」を関連付けています。
そうすると関連している部分にのみ焦点が当たるようになるので「共通項は何か」の説明を始めます。これが2段落目にある「見返りを求めてしまう」や、3段落目にある「舐めてる」「自分に酔っている」になるわけです。
このように、ひたすら関連性の部分に焦点が当たっているものはN的な文章だと言えます。

NF型が人格を見抜くことに長けていたり、NT型が能力の評価に長けているのは、このN特有の「性質を見る」癖が由来しているのではないでしょうか?
Nの「関連性やパターンに焦点を当てる」は性質を見ることに繋がるので、「〇〇性」「〇〇的」という言葉で表現されるものに意識が向くのはN的だと言えます。Nの「抽象的」とは、「性質を見ること」だと言えます。

ちなみにこれをS的な認知で捉えると、S型は目先の結果に焦点が当たりがちになるので「優しさそのものはモラハラではない」になり、関連性を落とし込むことが困難になります。意図と結果が一直線で結びつくことにより初めて理解できるので、そこまでを掘り下げる必要が出てきます。点と点を線で繋ぐ作業が必要となるということです。
また、「優しさ」と「モラハラ」は具体的な行為を通じた因果関係ではないので、S型の人からしてみれば「そことそこを繋げるのは “浮いた話をしている”」という印象に感じられます。「N型はフワフワした内容の話をする」と言われているのは、この「具体的な行為によっては因果を成さないもの同士をくっつける」という所があるからだと考えられます。Nは物事を性質として見るので、内在的なものであり具体的な現実に結びつかないまま話が進むのです。そんな話を聞いた時に「具体的な事例に落とし込みたい」とS機能を使って解釈しようとすれば、S機能に紐づけられないN型の話は「現実に根付いていない」「フワフワしている」という印象を感じるのです。(よくN型で言われている「地に足がついていない」は、「空想を好む」という意味ではなく「直接的な関与を根拠としない」という意味なのかなーと……。)

私自身は、S優位N劣等でありN的な認知には不慣れなので、初めはこの文章の理解が困難でした。



S型がN的な考えに慣れるコツ

最近になって分かってきたのですが、N的な文章を読むにはコツがあって、「具体的な所にまで掘り下げなくても繋がりがあることを把握して受け入れる」ということです。

S型は「点と点を線で繋ぐ」という癖があります。「点と点の間に線が無ければ理解が難しい」ということでもあります。具体的な経験を思い起こす「線」を見つけることでやっと腑に落ちた感じになるのがS型です。
しかし、線が無くても点と点で話は成り立つということに気付いたら、少し飲み込みやすくなった気がします。ただN劣等の私にとって、N特有の「浮いている感じ」には納得感のなさを感じてしまう所が未だにあるので苦戦してはいます💧



まとめ

今回はS/Nと文章の読みやすさに関連する話を聞いたことをきっかけに「S型の私にとって抽象的な文章は読み取りづらいなー」と感じた事が思い浮かび、自分自身がパターン化している時にはどのようにN機能を使っているかを掘り下げ、そこから抽象的な文章を書く人の視点を想像してみました。


S/Nと言葉遣いの違いとしては、まとめると

  • S型の語句は限局的、N型の語句は包括的

  • S型は一つ一つを分解して詳細まで把握しようとして、N型は要点となる部分だけを伝える

  • S型は個別の対応を取ろうとして、N型は似た要素を一つにまとめる

といった風になります。


また、N型の説明が抽象的になりがちになる背景としては「N型は直接起きる結果としては説明できない関連性を、共通項の部分を掘り下げていくことで理解する」という認知をしているからということになります。





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