見出し画像

星屑206 いなくなるはなし

2020年4月16日
 世界的に恐ろしい事態に陥っている新型コロナウイルス。お店の営業短縮、会社ではどんどんリモートワークに切り替えになりつつありますが、私はまだ電車に乗って通勤しています。色校正や束見本など実物を確認しながらの作業が圧倒的に多いので、なかなかリモートしづらい環境にあります。数日前から自宅でも作業できるように準備を進めており、試験的に午後から自宅作業をしてみたりもしています。結局、事務所のスタッフと細かなやり取りをするのは直接話したほうが手っ取り早く、事務所に来てしまいます。本当はやめたほうがいいのですが。
 緊急事態宣言がでたなら、いっそ緊急を要する仕事以外はすべて停止して自宅で過ごせるよう仕向けるべきですが、なかなかそうはならないようです。私みたいに若干の罪悪感を感じながら通勤する人も減ると思います。
 電車からどんどん人がいなくなり、今朝は座席にひとり分の間隔をあけて座っても余裕という、通常なら考えられないほどの人の少なさでした。私のほうが完全にイレギュラーですね。今日は警報が出てしまうような大雨ですが、明日からは晴れの日は自転車通勤もしてみるつもりです。行きはいいけど帰りはどうなることやら。
 今年はお花見もできずに終わりました。花見に対してとりたてて執着心もないし、どちらかというと皆でわいわいするのは苦手ですが、桜が舞っているのを見るとなんとなく心がそわそわします。ああ、今年も満足に見ることができなかったな、なんていうちょっとした後悔と、いつのまにかマフラーがいらないほどの陽気に気付くことに、また季節が巡っているのだという現実を突きつけられます。私は去年と何が変わっただろうと毎年考えています。
 話は変わりますが、去年の今頃、今の事務所の求人を見つけ、緊張しながらメールを打ちました。あの時のメールのやり取りや面接、時期が悪くGWが開けるまでドキドキしながら返事を待った時間が夢のようで、採用メールを受け取った時はその後の仕事が手につかなかったことを覚えています。やっと辞められる、この場所から解放されるという嬉しさと、当時の上司に辞める旨をどうやって伝えようかと悩む気持ちが混在していました。辞めるまでに一悶着どころじゃないやりとりがあったことは、今でも話のネタですがあまり思い出したいことではありません。上京した時には全く想像のつかなかった生活をしておりますが、まあまあ楽しんでいます。どうか、疫病がはやく収束しますように。祈るばかりです。

自費出版・完全手製本で冊子版星屑を制作しています。第三弾の制作費のサポートよろしければお願いします!