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星屑193 そんけいするはなし

2019年9月22日

 一気に秋の様子を見せ始めました。最近さぼりがちだったので、今週は頑張って更新したいと思います。

 さて、今回は仕事をするうえでの尊敬とか、最低限のマナーの話。個人で活動していると、どうしてもデザイン料の低い依頼や、かなり理不尽な依頼がくることが稀にあります。その時は、意を決して断るか、私が不利益にならないような条件になるように交渉します。

 お仕事のお金のやり取りというのは難しいもので、デザイン料を一律にしてきっちりもらうことも大切ですが、時には人間関係やその時の状況を優先することもあります。例えば、お互いのことをよく知っている知り合いなどから自由度の高い依頼が来た場合は、なにかおいしいものをご馳走してもらう、物々交換をする、など金銭に頼らない時もあります。毎回そうではなく次回はきちんとデザイン料をいただくようにしたり、他にいい方法があればそのようにしたりもします。

 ただ漫然とお金がないけどやってほしい、と言ってくる人は丁重にお断りするようにしています。そういう人たちは高確率で次回も同じようにお金がないけどやって、と言ってくるからです。こちらに不利益なものは断らざるをえません。

 デザイン費をもらっていないまま、なし崩し的に終わった仕事とか、待っても待っても返事をもらえないまま持て余している案件とか、表沙汰にはしませんがきちんと覚えているし、信用はどんどん落ちるのみだと思います。お金が全てではないと言うし、実際そうだとは思いますが、その「労働をしてお金をいただく」という世間一般の評価対象からも外れたこれまでの時間と労力はどうなるのでしょう。

 私がデザインしたものがコンペで賞を頂くこともあります。今までろくに返事をしてこなかった人が、突然連絡を返すようになったり、大声で私の名前をだしたりすることがあります。とてもありがたいのですが、自分のなまえが一人歩きするのは、正直、しんどい。賞に出す出展料も送料も梱包料も、それらにまつわる労力には一切見向きしないのに、結果だけにあやかっている感じが苦手なのだと思います。仕事のやりとりに関連する、尊敬のなさ、デリカシーのなさが嫌になっているのだと思います。

 こんな無名の私に仕事をいただけること、きちんと尊敬を持って接してくださる人はたくさんいらっしゃいます。その人たちへの感謝と尊敬を忘れないよう、私も嫌な人にならないよう、反面教師にしてこれからも頑張ります。


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