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星屑196 おもいだすはなし

2019年10月29日

 先日、久しぶりに卓球の試合に出場しました。今回は団体戦。ご縁があって、とある出版社の卓球チームに入れてもらっています。運動は滅多にしませんが、たまに体を動かすとストレス発散にもなるし、とても楽しいです。チーム戦としては決勝トーナメントにあがってすぐ負けてしまいましたが、個人的な結果としては全勝できました。これまた久しぶりに気持ちよく勝つことができて嬉しかったです。チームの方からも、のびのびとプレーできていて楽しそうだったと声をかけてもらいました。何事もそうですが、楽しそうだったり夢中になったり、逆に焦ったりする様子は、自分よりも周りの方がきちんとわかってくれている気がします。

 完全に現役時代から引きずっていたのですが、緊張していないと思っていても、いざ本番になると、過度に緊張してしまって本来のプレーができなくなったり、ミスするたびに焦ってどんどん動きが悪くなるという悪循環に陥ることが多々ありました。それが負け癖になって、練習の時とは程遠いプレーに自己嫌悪に陥ることもありました。それが今回なかったのが、自分でもびっくり。のびのび試合するってこういうことだったのかと、一〇年越しに思い出せたような気がします。

 できなかったことができるようになった瞬間、わからなかったことが理解できた瞬間、ぱっと視界が広くなる感覚があります。ああ、こんな単純なことでよかったのね、と感じることも、紆余曲折を経てやっとできるようになった……と感慨深さのような達成感を味わうこともあります。忘れていたことを思い出す時も似た感覚に陥ります。

 いつも試合で勝てる人、成功する人はこの視野が広くなる感覚をずっと覚えていて、うまくコントロールできるんだろうなと思っています。緊張しない状況を思い出せるし、勝つパターンも身体が覚えていてスムーズに繋げることができる。だからいつでも勝てるし、いつでもいいパフォーマンスができる。なかなかできない高度なことだと思います。

 厳しかった現役時代、目の前のことに必死になりすぎてあまり意識していませんでしたが、多分この感覚を掴みたくて、練習にしがみついていたのだろうと思います。顧問もそうだったのかもしれません。そんなことが言えてしまうほど遥か昔のことすぎて、記憶にかなり補正がかかっているみたいです。苦笑。

 今回はこのへんで。


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