見出し画像

星屑131 かだいのはなし

2018年2月13日

 寒さが緩んだかと思えばそれもつかの間、日曜は雪がちらつく日になりました。暦の上では春が立ちましたが、それを実感するのはまだ先になりそうです。ずるずると崩していた体調も、週末しっかり寝たおかげで回復しました。睡眠大事。

 さて、つい先日、自分の所属していた研究室の最後の課題が終わりました。先生は今年度で退任され、私が実質最後の研究生ということになります。厳密に言うと大学院では主査ではないので研究生ではないのですが、学部時代から数えて実に五年間、とてもお世話になった先生です。私にとってはデザイン業界を知るきっかけになった最初の人物であり、尊敬するデザイナーであり、紙と文字を溺愛するに至った病原菌のひとりでもあります。

 最後の課題は、平和紙業ペーパーボイス大阪と、紙誠株式会社との合同展示「PAPER LAB.‒Biggining‒」に合わせて、「エアラス」という紙とタイポグラフィを用いてのポスター制作でした。私は白インクの特殊印刷を用いたグラフィックスを制作しました。ここ最近は書籍デザインが中心で、大判のものを作っていなかったので、まるで学部の時に戻ったかのような課題に少し懐かしさを感じつつ取り組みました。私は少しでも成長できているのでしょうか。

 時間の流れで環境や考えが変わることは必ずあります。自分だけ変わって、周りが変わらずそのままでいてくれるなんてことはありません。それは分かっているつもりでも、なかなか理解することは難しいように感じます。気がついた時にはほとんど変わっていた、なんてこともざらかもしれません。できれば変化が少ないほうがいいな、なんて思うけどそれもわがままですね。変化に寛大になれたら、楽しめるようになれたらどれだけいいだろう。

 私もついに引っ越しの日程がきまりつつあります。遠くの街に行くことに不安はないですが、この住み慣れた街を離れること、よく入り浸っている場所や友人たちが遠くになることの方が不安かもしれません。新しい場所でこんなにも居心地のいい場所ができるかもよくわかりません。みんなは大丈夫、なんていうけれど、私が人見知りなことや、今のような自分を作るために六年かけたことは私が十分に知っています。また多分、同じように時間をかけながら慣れていくんだと思います。

 いろいろとめまぐるしいですがあと一ヶ月、アトリエの片付けやら引っ越し準備やらに追われそうです。楽しみながら生活していきます。


自費出版・完全手製本で冊子版星屑を制作しています。第三弾の制作費のサポートよろしければお願いします!