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星屑192 めまぐるしいはなし

2019年9月17日

 台風一過、恐ろしいほどの猛暑に閉口しております。年々ひどくなる台風、規模の大きくなる被害に、なんだかやりきれない気持ちになります。去年も似たようなことを書いた気がしますが、どうにかならないかしら。千葉県の一部ではまだ電気が復旧していないようです。心なしか報道も少なめ。一刻もはやい復旧をいのります。私は粛々と経済をまわすのみ、です。

 幸か不幸か、今回の関東を直撃したファクサイは、都心部を夜中に通過したため、人への被害は少なかったように思います。計画的な電車の運休、お店の早仕舞いなど、昨年頃から事前に対応する動きが顕著に見えるようになってきたと感じます。暴風雨の中無理に動くよりも、よっぽど懸命な判断ですよね。しかし、計画運休が開けた後も想定外の運休や遅延で駅は大変な混雑でした。

 急ぎの用事がないなら休んでもいいと言ってくれる職場がありがたいです(その連絡を見るのが遅くなったので、結局出社してしまいましたが)。不要不急の外出は控え、家でゆっくり過ごせるならそうした方がよっぽどいいです。その日は取引先の方々もなかなか出社できず、仕事も捗らなかったので、来た意味があったようななかったような……。

 台風に翻弄されていましたが、先日造本装幀コンクールの授賞式があり、せっかくなのでと参加してきました。名だたる出版社・著名なデザイナー陣に囲まれて、私は場違いなのではないかとそわそわしていました。会場には普段お世話になっている方々もいらっしゃって、とても安心感がありました。同じ会場にいてそれぞれが評価を受けていること、私もやっと追いつけそうな感触を得ることができました。でも、まだまだ勉強することはたくさんあります。

『水温集』の講評は、ある意味当然の反応というか、面白い講評をたくさんいただきました。はたしてこれは本なのか? といった疑問をもったこと、本文を溶かして読むという行為に審査会場が不思議な盛り上がりを見せたこと、次第にほどけていく行間と文字に、様々な感情を抱いたということ。見るだけでなく、実際に溶かすという行為をしていただけたことが大きかったのではないかと思います。溶かすと二度と読むことはできませんが、きっと記憶の片隅に残る不思議な読書体験をすることと思います。もともと特定のターゲット向けに作った本が、予備知識もなく水温集に触れるという行為も興味的でした。とても良い経験をさせていただきました。本当にありがとうございました。


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