恋するレシピ“ヘストン流”を観て、愛を語る。

録画していたこの番組を観た。(NHKのBSって、海外ドキュメンタリーがいちばん充実してる気がする)


ロンドンの三つ星レストランのシェフ、ヘストン・ブルメンタールが5組のカップル(新婚・子供がうまれたばかり・結婚25年以上・くっついたり離れたり・ゲイ)に食事で、お互いの愛を再燃させようというもの。

彼の作る料理は、分子ガストロノミーと呼ばれるジャンルで、非常に革新的。(食材を液体チッ素で凍らせてから、油で揚げるとか。時間や温度を徹底管理して、調理していく。ぜひ食べてみたい)
今回は、様々なアプローチで「料理でカップルの愛を深められるか?」というテーマで、ヘストンと様々なジャンルの研究者がコラボして、メニューを開発。

情熱・献身・親密という、 愛の三角理論を5組のカップル双方に、食事の前と食事の後でヒアリングしたところ、ヘストンの作った食事を食べた後は、確実に相手への愛情が深まっていた。

ここからはネタバレあり。

「危機を乗り越えると距離が一気に縮まる」というアプローチで、見た目はリンゴ(実は、鳩のリエットをチリソースでくるんだもの)と生きた蛇(これは食べない。無害)を一緒にサーヴすると、5組のカップルがそれぞれに大きく盛り上がった。

蛇が嫌いな人、辛さにびっくりする人、とにかく想像を超えた料理と演出で、軽くパニックになった後、本物のメイン料理(これまた鳩。けれど、こちらは華やかで美味しい)が出てきて、5者5様の“sweeeeet”な展開に流れていく。エデンの園で、禁断の果実を食べてしまったアダムとイヴもこんな感じだったに違いない。
危機を乗り越えた2人の距離は縮まり、信頼感も増す。

ここをピークとして、その後のデザートまで、諸々の科学的アプローチで、5組のカップルはお互い素直になっていき、相手への愛を再確認して帰っていく。ヘストンの料理すごい。(番組用の特別メニューなので、注意)

大都会TOKYOにヘストンのレストランはない。(ロンドンとメルボルンにある)

けれど、TOKYOのカップルがもっとラブラブになるには、ヘストンの料理以外でも(だから、番組用の特別メニュー!けど、分子ガストロノミーはデートで盛り上がりそう)何かあるはず…と考えた時に、どうやら原因は、何だか根深い気がしてきた。

日本人の「世間一般」がカップルに厳しいと思っている。個人的には、電車でハグしたり、軽くキスするぐらいなら全然OK。むしろ年配の人ほどそうやって自分のパートナーに愛を表すことが日常的に見られる国は多い。

リベラルなはずの大都会TOKYOの山手線内回りの車内では、キスしているカップルを見ないようにする人が大半。ヘストンのレストランが仮にTOKYOにできたとしても、カップルに対する「世間一般」は変わらない。

駅でハグしたり、キスするのは、公序良俗に反するのか?

こそこそこやってる(←言い方)から、不評を買うのではないか?

もっと堂々とハグしたり、キスしたり、人前でパートナーをほめていいんじゃないか?

恥ずかしさ?そんなもの、東京湾に投げ捨てろ。

周りの目を気にすることより、もっと目の前の大好きな人に、素直な気持ちを飾ることなく伝えようよ。

少なくとも、私は自分の歴代の彼氏にはそうしてきた。(ドヤ顔)

singleの私が言っても説得力はないけど、彼に対する自分の気持ちを素直に伝えるだけでもダメだというのも経験上、とてもよく分かっている。

ただ、その時の大好きな気持ちはとてもキラキラして綺麗だからこそ、相手に伝えたい。
奥ゆかしさが売りの日本人も場数を踏めば、自然に素直な気持ちを相手に伝えられるようになるはず。2人のコミュニケーションはそこから始まって、関係性を作っていくのだから。たくさん2人で色んなことを話した方が、絆は確実に深まり、かけがえのないパートナーに変わっていくに違いない。

素直な気持ちで誰かを愛せたら、きっと「世間一般」の評価は関係ないはず。だって、自分の気持ちは自分がいちばんよく知っているもの。

念のために言っておくと、いつでもどこでもイチャつけって話ではない。

私も次に好きな人ができた時は懲りもせず、愛している気持ちはもちろん、たくさんの気持ちを相手に伝えて、2人の絆を育んでいきたい。やっぱり、たくさんの形容詞を使えるような恋をして、愛を育てたい。

ちなみに、分子ガストロノミーが全て恋愛に効果があるわけではないので、ご注意を。



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