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フォーレの『シシリエンヌ』

今回のピアノ演奏の投稿は、フォーレの『シシリエンヌ』です。

CMとかでも使われていそうな曲なので、どこかで耳にしたことのある方も多いかと。

https://youtu.be/jkYOocN34Sw


「この曲ってそもそもピアノの曲じゃないんだよね?」という疑問から、少し調べて分かったことを書きます。


ガブリエル・フォーレ Gabriel - Urbain Fauré [1845-1924]

1845年5月12日生まれ。フランスの作曲家。

6人兄弟の末息子で、8歳ころにはその才能が認められ、1854年からパリの古典宗教音楽学校(通称:ニデルメイエール音楽学校)で学ぶ。ここでは、若きサン=サーンス(Charles Camille Saint-Saëns)にも、親しく教えを受ける。

1903年(59歳)頃から、耳が聞こえなくなっていくが、1924年の11月に亡くなる、その2か月前まで作曲を続けた。

作品はほとんどすべてのジャンルにわたるが、フォーレ自身オルガニストであったにもかかわらず、オルガン曲は一曲も残っていない。

もっとも作品数が多いのが声楽曲で、約100曲に及ぶピアノ伴奏歌曲が作られた。


シシリエンヌとは

イタリアのシチリア島の舞踊曲の名前。

拍子は常に8分の6拍子。この曲ももちろん8分の6拍子。

シシリエンヌ Sicilienne はフランス語。

イタリア語ならシチリアーナSicilianaになるだろうか。


フォーレの『シシリエンヌ』について

この『シシリエンヌ』作品78は、フォーレの作品表において、チェロとピアノの室内楽曲に分類されている。

もともとは1893年に〈町人貴族〉という劇音楽として作曲されたと思われ、未完成の自筆原稿と、シャルル・ケクランという作曲家による管弦楽譜があり、さらに1898年に作曲した〈ペレアスとメリザンド〉の劇音楽の中で使用される。

様々な楽器による編曲がなされていくが、全てをフォーレが編曲したわけではなく、このピアノ独奏版も、誰の手によって書かれたのか、私の参考したところでは見つけられなかった。

(※ ちなみに、フォーレの作品表の中で、【ピアノ独奏曲】の欄に『シシリエンヌ』は存在しない。だから、この曲自体は「作品78」であるが、ピアノ曲としての作品番号は存在していない。フォーレの作品番号自体、不明なところが多いとのこと。)

まとめ

ピアノ独奏『シシリエンヌ』は、フォーレの曲だけれど、フォーレが書いたのかはわからないピアノ曲、ということが分かった。

1年前にレパートリー探しの中で、たまたま弾いてみようと練習を始めた。

フォーレのピアノ独奏曲は初めて触れたが、やっぱりフランスもの(フランスの作曲家の音楽)って、何かお洒落で、つかみどころのない響きが美しいと思った。

ただ私の中では、フランスものって、彷徨ってしまう。何だろう・・・直視するのに躊躇してしまう感じ。(笑)

ただの私の感覚なので、参考にすることなく、気軽に聴いていただけたら嬉しいです!


※ 参考文献
・『音楽大辞典』第4巻 1982 平凡社
・『フォーレ ピアノ小品集』全音楽譜出版社

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