レーニン・ホメイニ体制

革命は、三段階に分かれる。近代前期革命が、1789大革命から1871パリコミューン陥落まで。革命の即自期、箱入り娘のパリジェンヌ時代である。

中期が、帝国主義時代に当たり、パリコミューンから、ロシア革命・中国革命・イラン革命を経て、1991ソ連滅亡まで。革命の対自期、パリから家出し、諸国を放浪する、ビルドゥングスロマン時代である。この時期、革命はプロレタリアートから、「構造プロレタリアート」つまりマルチチュードに拡大する。これは、革命「分子」のクリナーメンと言える。

そして現段階、後期がグローバル資本主義時代で、ポストソビエトであり、革命は即かつ対自期に入り、結実する。パリからあちこち歩き、「地球に返って来た」。即ち、地球全土がパリ化する。イスラーム国や、香港がプロレタリアート独裁を担っていた可能性もある。

今回は、中期革命を詳しく見よう。特長は、内容的には革命の社会空間の拡大である。革命の担い手は労働者であるが、前記には、パリの労働者ばかりでプロレタリアート独裁までやったが、真のプロレタリアートは、真の人間でなければならない。パリ民衆だけでは、真の、つまり世界的な意味での人間・民衆・プロレタリアートとはいえない。革命は、世界を獲得するため、パリを出た。 

以降、革命が獲得した世界は、中期には主に「政治的社会空間」つまり民族空間であったが、後期には「社会的・生活的社会空間」つまり、女性や少数民族、性的少数者や障害者を獲得していく。これはまだ進行中である。
具体的獲得成果としては、ロシアでは、非西欧人のロシア民族や農民、中国でもアジア人や農民、イランではイスラーム教徒などがある。

いちばん大きな枠組みとして、近代中期のすべての社会は、資本主義社会である。つまり、この時期の革命社会には、イデオロギーとしての社会主義思想は存在するが、その社会的実体は国家資本主義であり、アメリカなど非革命社会の市場資本主義と対になる、あるいは支える形のものである。この辺、門田はさらなる研究が必要である。

革命社会がわの、イデオロギーは実はなんでもよい。本心の国家資本主義を言い繕うためには、イデオロギーは社会主義でなくともよいわけで、イランではイスラーム原理主義が務めた。けだし、社会主義体制は、その社会の社会性、つまり生産様式にとって必要なわけで、社会の政治性方面つまり政治思想にとっては、まじないに効果がありさえすればよい訳である。 

以上、この、内容で国家資本主義、形式で非限定の体制が、近代中期の革命社会、中期革命社会である。

これが、「レーニン・ホメイニ体制」である。従来、「共産主義」とか「社会主義」とか呼ばれていたものであるが、これではイラン革命の説明がつかんかったがな。

わたしがここで付けた説明をまとめると、
イラン革命社会は
イスラームの衣装を纏った国家資本主義、
ロシア革命社会は
社会主義の装いの国家資本主義、
という具合である。

そして、近代後期、革命は成熟に近づき、社会主義イデオロギーで武装した(形式)、社会主義社会(内容)になる。これが、マルクスの言うた「社会的(政治的形式)社会主義(社会的内容)」であろうか。

まとめましょう。
近代の全ての民主主義は間違いです。
資本制民主主義、つまりブルジョワ民主主義やからです。
資本主義と民主主義は両立しません。

また、近代の、全ての社会主義も間違いです。エンゲルス、レーニン、スターリン、毛沢東、キムイルソン、ポルポト。なんか一代毎に悪くなってないか。

かれらは、別に詳述しましたが、門田の社会一元論にたたず、デカルト主義流の主客二元論やからです。
結果、国家資本主義に陥る。
これを、資本制社会主義、あるいはブルジョワ社会主義と呼びます。
社会経済体制としても、政治イデオロギーとしても、偽りの社会主義や。

真の民主主義も、社会主義も、いま近代後期に始まり、後近代に結実します。
手前味噌ですが、おそらくこの note をメインに書いている一連の考察が、世界最初の社会主義思想になる可能性があります。
駿台にいた、元予備校講師の表三郎がその先駆者でしたが、彼は革命を止めています。

話しを戻すと、わたしはレーニン・毛らをホメイニの先駆者として評価します。

近代の革命は、全て資本主義革命です。
フランス革命、明治維新、パリコミューン、そしてロシア革命、中国革命、キューバ革命、イラン革命。
近代中期の革命は、資本主義のなかでも国家資本主義革命であり、これは国家社会主義と同義であるから、全体主義とも言えます。大日本帝国も、イランも、ナチスドイツも、ソ連も中国も。「神の国」ですね。

そしてホメイニは、レーニンの後継者であり、その意味で評価が限定されます。

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上の論では、
中期革命社会を、
内容が国家資本主義、
形式が非限定、

としたため、
非革命社会アメリカなどとの区別がつかなくなりました。

革命と非革命との区別があいまいです。
アメリカも、フォーディズムなどの社会革命をしている。

わたしは、中国革命やイラン革命など、新聞に載る革命を念頭においていましたが、
これを政治革命、と見做したらアフリカなどの政治動乱が捉えられない。

第一、第二、第三世界の評価と絡め、革命自体を再設定せんなりません。

おそらく、
第一世界が非革命の先進国(コインの表側)。
第二世界が、つまり従来の共産圏で、わたしの論のレーニン・ホメイニ体制。
第三世界が、コインの裏側、別に述べた「中期植民地」となろう。  

一案として、縦軸に植民地か宗主国かを取り、
横軸に革命社会か反革命社会かを取り、
タテヨコ4つに分割して、世界を4つに取れば良いのかも。
ただ、その場合ナチスドイツなどの右翼革命社会は、やはり反革命になるのでしょうねえ?
ナチスドイツとスターリンソビエトは違うのか。「革命社会」という枠組み自体がユメなのかも知れません苦笑


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