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ボクシングと筋力トレーニング


随分と昔の話ですが、スティーブジョンストンとの再戦に向けてトレーニング中の坂本博之のトレーニングを見るためにに角海老宝石ジムに見学に行ったことがあります(その後すぐジョンストンは後にセサールバサンとの防衛戦に敗れ、坂本はバサンに挑戦することになりました)。
当時の角海老宝石にはキューバのナショナルチームのコーチを務め、その後タイに渡りプロの世界チャンピオンを量産したイスマエルサラスが常駐していました。

サラスのトレーニングをみて僕は「なるほどな」と思ったものです。サラスは、坂本ら角海老ジムのトップ選手らに、ジムワークの最初のメニュー(ウォームアップの次)に筋力トレーニングを行なっていました。
メニューとしては、カエル跳び(ウサギ跳びとは違い、大きく伸び上がるように脚を蹴り出すトレーニング)、パートナーに脚を持って貰って大胸筋と上腕三頭筋の力で上体をジャンプさせて胸の前で両手を叩く腕立て伏せなど、です。
これらは自重トレーニングではありますが、比較的負荷の高いものです。
そして彼らは筋力トレーニングが終わったあと、一度ジムの奥に引っ込み、その後しばらくしてサラスと決まったパターンを繰り返すミット打ち(坂本は対サウスポー戦略の確認)を交替で行なっていました。

そのことを当時通っていたジムで先輩(有名選手)に言ったのですが、彼は「筋持久力の為だろうな」と言いました。しかしその回答では不正解です。
まずはその理由について説明します。

※ここでは「筋力トレーニング」と「ウェイトトレーニング」という言葉を併用しています。単純に、ウェイトトレーニングとは、筋力トレーニングの中でも、ダンベルやバーベルなどを用いたトレーニングとして使い分けています。

筋肉の発達の仕組みと栄養補給について

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