2022.6.5 FC町田ゼルビア vs 大分トリニータ J2第20節感想

お久しぶりです。
書くことに意味があると思ったので、無理のない範囲で再開です。

スコアも内容も良くなかった試合で、大きく感じたことが3つ。
・なぜいつものように守れなかったのか
・敵陣進入が少ないように見えた訳
・後半の4-4-2で良くなったように感じた理由

被シュート数が少ないゼルビアがなぜここまでのスコア、内容になってしまった理由を自分なりに見つけてみました。

スタメン

スタメン

なぜいつものように守れなかったのか

前半のうちに3失点とひどい試合に。その理由は大分とゼルビアの動き方の違いにあるように感じた。

大分はボールの場所を基準にして、各選手が立ち位置を取っているように感じた。少なくとも攻撃/守備の二局面においては、選手同士の距離や立ち位置はボールの場所で決まっているように見えた。

しかし、ゼルビアはボールではなく、どの選手がボールを持っているのか、この場所ではここに立とうという風に人や状況で立ち位置が決まっているように見えた。

そのため、大分はボールが動いたら各選手が動き直すが、ゼルビアは人や状況で判断するため、攻撃時は止まってボールを貰おうとするし、守備は人に付こうとしていた。

この動き方の違いがよく現れていたのが、ゼルビアの守備時。特にシャドーのマークの受け渡しのところ。ボランチが見るのか、それともHV(3バックの両脇)が見るのかが曖昧で、なおかつ受け渡しが雑に感じた。そのため、シャドーが降りて受けようとしたときにHVが引っ張られて、スペースが生まれたところにスピードのある選手がサイドの1対1を制し、クロスを上げてくるという最初の失点シーンのような形が何度も繰り返された。

大分の両WBのスピードに後手を踏むことは分かっていたので、こうなることは試合前から予想できた。だからあらかじめ、対応策が欲しかった。ただ、ゼルビアはクロスからの失点が多いチームではない(試合前の段階で2失点/12.5%)し、大分もクロスからの得点が特別多いわけでもない(試合前の段階で4得点/16.7%)。そのため、今後の試合でクロスからの失点が増えたら嫌だなと感じる。

ただ、両チームの動き方の違いがこの試合にもたらした影響は大きそうだなと感じた。


敵陣進入が少ないように見えた理由

3バックを本格的に採用してから数試合が経過。ただ少しだけビルドアップが気持ち悪い。これは私が、3バックを採用するプレミアリーグのチームを追っているのが関係しているのかは分からない。ただ、人の配置はもう少し工夫する必要があると感じた。

まず、3バックが左HVの奥山政幸(岡野洵) が上がり、高橋祥平と深津康太の2バックになる。これが変。既に大外には左WBがいるので、ここで人がダブる。

しかし、髙江麗央が右サイドの最終ラインの落ちるため、中央の人数が減る。そのため、中央で数的不利になり、被カウンターのリスクが高まる。これするくらいなら最初から3バックでいこうよ。

でも、HVの足元の技術、パスの出し手としての能力は、相手のプレッシャーを無力化できるほど高くない。そのため、髙江なのだと理解しているが、サイドで人が被っていて、いるのもいないのも一緒みたいな状況は避けたい。要改善。

また、この試合の相手である大分もこのプレス耐性の無さに気づいてか、ボランチを含む前線の5人(フレームの外はもっと多いかも)がゼルビア陣内に立ち、ショートカウンターを狙っていた。実際、何度もハーフスペースに立つ相手選手に縦パスが引っ掛かり、失点に繋がりそうなシーンがあった。

ポープ含めてパニックになるシーンが多く、普段では見られないようなバタつきが見て取れた。

確かに、選手たちの練習の結果、位置取りや出し手としての働きは改善されているが、今節の大分以上に縦志向、プレッシャー志向のチーム相手はJ2リーグに存在している。そのため、一選手の問題ではなく、チームとしてこのウィークポイントを隠すための取り組みが求められる。


後半の4-4-2で良くなったように感じる理由

これは単純にこれまでの2年の成果であったと思う。決して褒められる内容ではないが、チームとして立ち返る場所がまだあったように感じた。4-4-2で各選手のタスクが明確になり、マークもはっきりしたと思う。

また、攻撃時では、翁長聖と太田修介の右サイドは74分の大分の交代まで、スピードやコンビネーションでこちら側が優勢だったように感じた。

さらに、それに伴い相手のシャドーが基本ポジションを後ろに下げ、5-4-1のようになったことで、前に出にくくなったことも後半は少し良くなったかのように感じた理由かもしれない。


さいごに

この試合は、大分との動き方の違いとビルドアップの気持ち悪さや能力不足を狙われたことでこのような結果となってしまったと振り返った。

ただ、それ以上にトランジション(攻守の切り替え)のところで大きな差が見えた。ここは比較的ゼルビアの強みであるところだが、この試合は大分の出足が速かった。もちろん、勤続疲労があるのかもしれないが、ここに数年に渡ってJ1に居続けたチームたらしめるものを見た気がする。選手層の厚さ以上に、もっとここに磨きをかける必要があるなと感じた試合だった。


今節もお読みいただきありがとうございました。


試合結果

町田 1-3 大分
得点者:11分 サムエル
    24分 渡邉新太
    45分 サムエル
    68分 奥山政幸

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