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「底上げと隙のチラ見せ」2021.06.05 FC町田ゼルビア vs 松本山雅FC J2第17節マッチレビュー

前節は試合の入りのところで一瞬の隙を突かれ失点。その後追いつくことなく下位の北九州に負けてしまった。

(Twitterには載せていない雑感です。よろしければ。)

今節は相手のミスを突いて攻め切る、決めきることができたことが結果に繋がったように思える。正直なところ、11対11でも勝ち負けは変わらなかったと思う。松本サポには失礼だけど、対ゼルビアで抑えるべきポイントを抑えられていないし、ここを抑えられていたらゼルビアは苦しくて何もできないに等しかったと思う。実際このポイントを抑えられていた千葉や北九州には苦しんだ。

ここまで言い切る理由は後ほど紹介するとして、まずはスタメンから。

スタメン

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ゼルビアは佐野海舟がサイレント復帰。リリースで出た全治期間の半分くらいで戻ってきたから心配ではある。土居柊太が前節の途中から起用された左SBで今シーズン初先発。

松本はルカオが今シーズン初先発。で、ルカオ含めて前節から3人変更。最後に松本を見たのが5/15の金沢戦だったので、大分印象が違った。


松本の守備の穴?

今シーズンここまでのゼルビア対策と言えば、パスコースを限定するようなプレスと中央を固くした守備ブロック、そして執拗な長谷川アーリアジャスールへのマークが主。

けれど松本は、守備時に5-3-2(常田退場後は5-3-1)を採用したことで後ろに重たくなり、ビルドアップのところではゼルビアが数的優位だった。しかし松本の中盤3枚はこのことをどうにかしたいと思ったのか、前に出て2トップとの間のスペースを圧縮しようと試みる。しかし彼らの裏には自由にさせてはいけないTレックスがうろうろしている。このTレックスことアーリアが隙を見てはこの3枚の背後からスルスルっと降りてきては縦パスを捌いていく。

アーリアがゼルビアの潤滑油なのは明らかなのに、なぜ何も手を打たなかったのかはわからないが、見ててラッキーと思いながらほぼ勝利を確信していた(同点にされた時に自信が無くなったのは秘密)。

そしてこのアーリアの引いて受ける動きとは逆のベクトルで裏を狙い続けたのが中島裕希であり、時々平戸太貴であり吉尾海夏であった。

松本の守備の特徴は人に来るイメージで、自分の持ち場から離れてマークしている相手に付いていくことが多かった。仮に持ち場から離れても誰かがカバーしてくれればいいのだが、そのカバーもなくぽっかりとスペースが生まれていた。ゼルビアの選手たちは冷静に空いたスペースを見つけ、そこを使ってチャンスを作っていた。

特に星は持ち場を離れることが多く、周りとの連携もイマイチという印象を受けた。後半は最終ラインの大野が「俺が何とかしなきゃ」と思ったのかリスクを冒して攻撃参加をしてカウンターを受けるシーンも多く、失点にも結びついていた。

前半のうちに勝ち越すことが出来て、後半は相手に焦りが生じて前がかりになると、途中出場の太田修介のスピードを生かしながら試合を決定づけるという完璧に近い流れだったと思う。


ではここからは雑感を。

ポン太がゼルビアのSBに求められていること(時間を作る、レイオフ、裏抜けなど)を高水準でやっている事に感動。去年はポン太のユニ買ったからスタメン見て叫んでた。

ここ2試合くらいでパフォーマンスが落ちてるいるように見えた水本がこの試合ではルカオをシャットアウト。これが結局後々良い方に転んだと思う。まず一番やられたくなかったのがロングボールをそのまま収められること。次がファウルを取られること。まず競らせないことで完全にシャットアウトして前半で交代させた。後半は村越に手を焼いていたからちょっとボール動かされるとしんどそう。

タイトルで隙のチラ見せと言ったのは21分の右サイドの守備のようにボールウォッチャー癖がまだ直っていないところ。失点シーンもまさにそれ。せめて縦に被らず横に広がっていれば立ってるだけでパスコース消せたけど、このシーンは「あ、やばいな」と思わせた。


試合結果

町田 5-1 松本
得点者:11' 吉尾海夏
    14' 表原玄太
    42' 中島裕希
    68' 長谷川アーリアジャスール
    75' 太田修介
    84' 平戸太貴

さいごに

天皇杯を見据えて髙江の出場時間をセーブして勝てたというのは大きかったなと。テセさんのコンディションも上がってきてとチームのコンディションが上がってきたのは夏を見据えると良いことかなと思う。ただ試合に絡めていない若手が多くて、そこのモチベーションがどうなっているのかは気になる。

それを含めて天皇杯を現地観戦される方は楽しんでほしいなと思います。

今節もお読みいただきありがとうございました。

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