2024.7.15 FC町田ゼルビア vs 東京ヴェルディ
おはこんばんにちは。
東京クラシックです。
前回対戦は、野津田で5-0の快勝。スコアほどの差は無いように見えましたが、スコア的には差がついてしまいました。
試合前にはヴェルディからこんな動画が。こういう形での煽りもまたダービーならではでしょうか。(全然、東京クラシックって言ってくれないけど)
ゼルビアとしては、平河悠をイングランドに送り出しての初戦。城福監督も言っていたが、黒田ゼルビアはリバウンドメンタリティを持つことでチームがまとまり、勝ってきたチーム。
ということで、振り返ります。
スタメン
勝負を決めた試合の入り
キックオフからなかなかボールが落ち着かない展開。
むしろ、ヴェルディの方がロングボールを蹴ってきていた。ヴェルディは前線にターゲットになる選手がおらず、なかなかボールが収まらない。といってもゼルビアの昌子やイボが簡単に競り勝てているわけではなく、小柄な山田剛綺を中心に追っかけて来るので、簡単には蹴らしてくれない。
とはいえ、ロングボールを主体とする戦い方としてはゼルビア側に一日の長があるので、最終ラインや両CHから藤尾やナサンホが相手DFの背後に抜け出すシーンを作っていく。
5分のナサンホのシュートは平河と異なるキックに強みを持つナサンホならではのプレーだった。(メインから見たら入ったように見えた)
前半での両チームの差は、ゴール前の精度もあったが、トランジションにより強く表れていたと思う。特に先制シーンが顕著だが、ヴェルディが5-4のブロックを敷きたいのに、左サイドの山見、右サイドの染野の帰陣が遅れることが何度かあった。先制シーンは空いた鈴木準弥のクロスから一発で仕留めることができた。
ゼルビアが先制してからはゲームが落ち着き、ゼルビアは徐々にボールが持てるようになってきた。だが、中盤が閉められているので、サイドから前進を試みる。前途のように、5-4ブロックの4の両サイドの戻りが遅いので、SBが逃げ道となりながら攻めていく。とはいえ、藤尾の馬力を活かした突破とセットプレーしかチャンスらしいチャンスが無く、強度系のチームをどう攻略するかという所に課題を残した。
ヴェルディもボールを持てるようになってきたが、3バックがボールを持った時の振る舞いがロングボールしかなかったというのが悔やまれる。おそらく、ゼルビアのプレスや縦パスが狙われていることを警戒したのか消極的なプレーが多かったのが勝負の分け目だったような気がする。
徐々に両WBを出口にしていくが、時間的にまだゼルビアの両SHが走って間に合うのでそこまで大きな穴にはなっていなかった。だが、そこから斜めにシャドーやCHに入れられ、鈴木とイボの間のスペースを突かれてペナルティエリア内に侵入されることが時間の経過とともに増えていった。
ここの右SBと右CBの間のスペースを突かれるシーンはヘンリーやミンギュが出ていても狙われていたので、早めに手当てをしたいが、できれば出し手のところで潰せれば良いのだが、CHの人選が保持に振っているため、なかなか厳しい。とはいえ、この試合ではデュークがプレスバックしてくれるシーンも何度かあり、ああいうところで戻ってきてくれるとチームとしては助かる。
ということで、少ないチャンスをモノにしたゼルビアとトランジションの遅さと3バックの恐怖心が1-0というスコアに表れたかなというような前半。
ヴェルディの勢いをギリギリで凌いだ後半
ヴェルディはハーフタイムに右WBを交代。稲見から松橋に交代。前半は、ロングボールやサイドチェンジの受け手というタスクが主であった稲見。ただ、ボールやトラップの精度が足りず、そこから決定的なシーンを作ることができていなかったので、妥当かもしれない。
後半に入ると、ヴェルディは前半と異なり、3バックが勇気を持って前線にボールを持ち運んだり、縦パスを入れられるようになる。ゼルビアとしては疲労もあってかポジション取りが遅れて4-2-4のプレスが空転させられることが増えた。
特に千田の振る舞いが見違えて良くなった。正直、J2時代はそこまで足下が得意でないと認識していたが、現代的なCBの振る舞いができるようになっていて驚いた。
また、両WBのポジショニングも修正され、ゼルビアの4-2-4の両SHの背中かつSBが出てこれないような微妙なところに立つことで、HVからパスも受けられるし、運んでSBが食いついてくればパスやクロスの選択肢が出てくるというように、WBを活かした攻撃を繰り返してくる。敵にすると翁長のサッカーIQの高さが際立つなあ。
ゼルビアは怒涛の3枚替えをはじめ、人を入れ替えることで手当てをしようと試みるが、穴はふさがらない。一方のヴェルディは見木や森田など替えた選手がきちんと活躍し、森田は1点ものの決定機を演出。このシーンは谷のビッグセーブで事なきを得たが、それ以外にもサイドから崩され、最終ラインが身体を張って守らないといけないシーンが増えた。
だが、最後までゴールを許さなかったのは、規律としてゴール前での身体の張り方が浸透してきているからだろう。(あと、ヴェルディの選手、シュートのシーンで自己中な選択が多すぎたのが勿体なかった)
ヴェルディは3バックを筆頭に攻撃時に改善が見られたが、ゼルビアの最終ラインが身体を張ってギリギリのところで耐えた後半だった。
試合結果
町田 1-0 東京V
得点者:6' オウンゴール
さいごに
試合前から前回対戦のように楽な展開にはならないと思っていたが、バチバチやり合えて、かつ結果が付いてきて良かった。こういう内容では負けたような試合でも勝ちに持ってきたい、みたいなことを昌子はよく言っているし、そういう意味では有言実行できたのはチームの流れ的にも大きい。
またすぐに次の試合はやってくるし、それも国立でマリノスと。藤尾は代表に行ってしまったし、セフンは出場停止。前線の人選に注目が集まる。マリノスは鹿島に勝って調子と自信を取り戻しつつあるように見えるし、そこを何とか抑え、良い流れで中断期間に入っていきたいところ。
今節はお読みいただきありがとうございました。