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2020.11.1 FC町田ゼルビア vs 愛媛FC

勝つべき試合を落としてしまいましたね。J2は上位とか下位という概念が通用しないリーグというのは承知の上ですが、前半の内容だけ見れば勝てた試合だったと思いますし、勝つべき試合でした。

そんな試合で勝ちきれないのは今季のゼルビアを象徴するものだと思います。先制された時の反発力に欠けるというか、失点した時に顔を上げている選手が少ないように思います。個人的にはハンジェが試合に絡んでくれたらなと思うのですが、難しいですかね。


スタメン

愛媛スタメン

ゼルビア
4-4-2
前節から4人変更
愛媛
3-4-2-1
前節から3人変更

試合を決めるべきだった前半

CHの一角を開幕から担い続けていた髙江が今節は出場停止に。代わりに平戸がCHに入り攻撃のタクトを揮う今節。髙江と平戸の違いは長距離のパスが出せるか否か。平戸の方が長距離パスに自信を持っていて、この試合でも積極的に長距離のパスを出していた印象。得点シーンもそうですね。

序盤から右サイドを中心に人数をかけてダイレクトプレーという練習通りの形で局面を打開していき、左サイドの岡田が積極的にシュートを打つという展開が続く。愛媛が5-4のブロックを敷いて中央を固めているので、なかなかカウンターで前に出れなかったこともあって、敵陣で時間を進めることができていた。

しかし決定機と言えるようなシーンが少なく、PA内でシュートを打つということ自体が少なく、エリア外からのシュートばかりだったような気がしました。いわゆるゴール期待値が低いってやつ。やはり開幕からフィニッシュワークに問題がある状況は変わっていない模様。

一方の愛媛は個で打開できる左WBの長沼を活かそうと右肩下がりのビルドアップ陣形。愛媛に足らないのは自信と質だけなので、ゼルビアのプレッシングがハマれば前回対戦のようにミスから得点が生まれるかと思いきやそう上手くはいかず。ビルドアップを妨害することはできるが、奪うところまでは至らず。前後左右に振られて若干走らされていた感は否めない。


尻すぼみだった後半

前半に相手を刺せなかったゼルビア。プレッシングチームの今季の宿命である体力の消耗が激しい問題がゼルビアを襲う。それに負傷も。これは序盤に愛媛に先制を許したことと大きく関係していると思う。

疑似カウンターから逆サイドに振られ、スライドが間に合わずサイドでのワンツーで後手に回り、エンドライン付近からPA侵入され最後は事故での失点。水本は蓋をしに行ったのならそこで潰して欲しかったところ。他人のせいにするべきではないシーン。

愛媛にとっては欲しかったゴール。「形は問わない。欲しいのは結果だけ。」というようなゴールでここからさらに愛媛は調子が上向きに。ボール保持の時は数手先まで見えているかの様な余裕のプレス回避を見せ、無理にボールを前に進めずボールを持つことで、ゼルビアに攻撃をさせないという意図を感じた。

これにまんまとハマってしまうのが残念なところ。奪っても広げるという選択ができないのが今季のゼルビアで、特にこの試合はカイナがいなかったからサイドチェンジで相手を揺さぶるということもできなかった。ゼルビアのプレーモデルとは異なるが、福井に積極的にボールを持たせて前半と同じように愛媛からボールを取り上げるという選択肢をとってもよかったのではないかと思う。特に安藤の負傷交代後はタメが作れてロングボールをマイボールにできるユーキさんも出てたし。

ゼルビアの得点を振り返ると、気になったのが愛媛がブロックから飛び出してプレスに来る選手がいないところ。別に得点シーンに限らず、試合中ずっとそうだった。そこで長距離パスに自信のある平戸が前線にボールを送り込む。もう1つポイントだったプレーがジョンのボールを受ける前の動き。中学生以上のプレイヤーにとってはお手本のようなバンプ。競り合いの前に少し相手と接触してスペースを作るのがとても上手かった。もちろんトラップもシュートもよかったけれど。

しかし流れは依然愛媛。というよりもボールの持てないチームはこうなるよなという展開。守備からでしか時間が作れないから走れなくなったら厳しいよなという感じ。ジョセフの起用とかニュースはあったけれども個人的にはトライアウト的な要素もあったかなと思う。特に目立ったプレーもなく本人的にも悔しいだろうなと思う。

そして終了間際には吉田眞紀人に恩返し弾を食らう。直前の有田のドリブルへの対応が曖昧になってしまい最後はボールウォッチャー癖が出てしまった印象。チャレカバ。チャレカバ不要論もあるけど、個人的には絶対必要。特にゴール前、フィニッシュに繋がる場面では。


試合結果

町田 1-2 愛媛
得点者:54' 川村 拓夢
    71' ジョン チュングン
    85' 吉田 眞紀人


さいごに

持てないチームは悪!と言いたい訳ではないが、持てないとこうなるなという試合。別にもう見慣れた光景だけどさ、見慣れちゃいけないんだと思う。クラブが3か年という中期の計画を打ち出しているのなら、新しいことにチャレンジしていくべきだし、変化を恐れてたらいけないんだと思う。

愛媛はいくらビルドアップのところのミスから失点してもチャレンジをし続けている。勝てなくてもカッコいい。勝たなきゃいけないんだけどさ。

そういう意味ではチャレンジ枠で福井とジョセフを使ったのは評価したい。理由はどうであれ。なんなら福井はこれからも試合に出続ける資格はあると思う。1点目こそミスかもしれないけど、来季を見据えた「チャレンジ」をするなら福井を使い続けるべきだと思う。ボール保持の時のポジショニングや正確なキック、ボールが来ても怖がらない。どれを見ても現代型のGKだからオフは人気銘柄だろうけど。この年のGKでかなりのキャップ数あるのは魅力的。ムードメーカーだし。

カイナは戦術的なベンチ外だろうけど、マソビッチはケガだろうね。次節は長崎なので、手倉森さんに「佐野海舟にボールを回収されすぎた」とでも言わせてやろうや。

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