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2020.9.13 FC町田ゼルビア vs アビスパ福岡

相手のスカウティング通りの試合という感じでした。

愛媛戦で山瀬がインタビューで答えていた対ゼルビアのスカウティング内容と同じような内容に基づいてゲームプランを遂行したアビスパの思い通りといった試合展開でした。

スタメン

スタメン

ゼルビア
4-4-2
前節と同じスタメン
平均身長(GK除く):174.9cm
アビスパ
4-4-2
前節から7人変更
平均身長(GK除く):178.9cm

完璧だったゼルビア対策

この試合スコアこそ1-2と1点差でしたが、内容はほぼアビスパが主導権を握っていました。

なぜアビスパに主導権を握られたかというと、アビスパが完全なゼルビア対策をしてきたからです。徐々に対ゼルビア対策を各チーム取ってきていましたが、攻守の両局面において対策を遂行してきたのはアビスパが初めてだったのではないでしょうか。それもフアンマや木戸といった高さで違いを作れる選手や石津などの1人で局面を打開できるアタッカーがいてこそできたことですが。

まずは攻撃のところでアビスパが何をしてきたのか見ていきたいと思います。

攻撃のところでは今季のゼルビアのストロングポイントである「前線からのプレッシング」をさせないために主にロングボールを使い、ゼルビアの陣地に侵入してきました。そのためのフアンマ(188cm)と木戸(177cm)の2トップだったのでしょう。

もしもゼルビアの前線からのプレッシングに飲み込まれてしまっても、左サイドには左利きの、右サイドには右利きのSBを採用しているため、中央を切ってサイドに誘導してくるゼルビアのプレッシングをこれまたロングボールで回避できていました。

ロングボールをほぼ収めてマイボールにしてくれるフアンマがいることによって、セカンドボールの回収に自信のある髙江や海舟の強みというところも消されてしまいました。

そしてロングボールを収めたフアンマは展開力のある鈴木や松本にボールを預けて、サイドで幅を取っている両SHへボールを預けたり、チャンネル(CB-SB間のスペース)へ走り込んだSHや木戸へパスし、クロスを上げたり、奥深い位置からの折り返しといったパターンでゼルビアゴールに迫ってきます。

チャンネルラン

この攻撃パターンはこの試合の失点の両方に共通するやられ方で、ゼルビアのウィークポイントであるチャンネルが広く空いてしまうことを突いてきた形となりました。

このウィークポイントは17節の愛媛戦の試合後にサッカーダイジェストに掲載された記事で愛媛の山瀬功治が言っていたスカウティング情報と同じですね。

山瀬「事前の相手のスカウティングで、クロスに対してマイナスのスペースが空くという情報はありました。」

相手のSHがサイドで幅を取るとそれに対応するためにゼルビアのSBがサイドに出ていかなければならなくなります。そうするとCBとSBの間に広いスペースが生まれ、必然的に今まではコンパクトに保っていた守備ブロックに綻びが生じます。

本来ならこのスペースを埋めるべきなのはSHやCHなのですが、ゼルビアは前線からのプレッシングを採用しているため、前がかりになっていて、このスペースを埋めるために戻ってくるのに時間がかかってしまいます。

このSHやCHがスペースを埋めるまでの時間で、ここのスペースを使ってシュートに持っていかれてしまったのが2失点目でした。岡田の戻りがあと何秒か早ければ防げた失点でしたが、前からプレッシングに行く姿勢を見せていて戻るまでに時間がかかってしまいました。

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そして次は守備のところです。

守備の部分では前線からのプレッシングを仕掛けるようなことはせず、まずは守備のブロックを整えることに重きを置き、ボールを持つことに耐性の無いゼルビアを焦らし、ロングボールを蹴らせるように仕向けて空中戦を制すことで、ボールを回収していました。

地上戦に持ち込まれたとしても、カットインが多いゼルビアのSHの利き足を把握した守り方で、時間を作って中盤の選手の帰陣を待つなど、とにかくゼルビアのストロングポイントを消すというところに注力していることが見て取れました。

また最終ラインの選手間の距離を狭くしていたので、ゼルビアの攻撃パターンとなりつつある岡田の斜めのランニングをさせるスペースを与えず、パスコースも空けないということを徹底していて、78分にドウグラス グローリを投入して以降は5バックにすることで、よりその選手間の距離が狭くなり、各レーンを埋め、ゼルビアにほぼ何もさせませんでした。


もう1ステップ上に行くために必要なこと

この連戦で試合を通して成長できたところもあれば、対戦相手に対策され始めた途端に自分たちの良い所が出せなくなるといった課題が表出するようになってきました。

例を挙げると前線からのプレッシングをロングボールで回避、無効化されてしまい、中盤よりも前と最終ラインのギャップを突かれて失点してしまうこと。攻撃の時に相手に引かれてしまい何もできなくなる。セットプレーで得点を取りたいけど、そもそもセットプレーが取れない。という感じで課題が多くなってきました。

次の5連戦からもうシーズンは折り返し、対戦も2周目になり、よりしっかりと対策されるようになっていくでしょう。対策された時にその対策を上回るにはどうしたらいいのか。人を代えることによってチームとしての幅をとるのか。それとも今の固定されたスタメンの中で引き出しを増やしていくのかは現場が決めることですが、ほぼ練習できないこの過密日程の中で今後チームがどう変化していくのかはとても興味深いです。

例えば相手に引かれた時に焦れずにパスを繋いで相手を引き出すという課題に関しては、今出ているメンバーが試合を通して身体の向きやポジション取り、ボールの持ち方にこだわっていって繋げるチームになっていくしかないと思います。これは非常に時間がかかると思うので、長期的な目線で見ていくべきだと思います。

一番改善しやすいのは、この試合の失点に繋がったチャンネルのスペースが埋められず、使われてしまうという課題だと思います。

SBが釣り出されてしまうのは簡単にクロスを上げさせないという観点からも仕方のないことなので、さっきも言ったようなSHやCHが戻ってきてそのスペースを埋めるという方法で対応するか、それともCBがそのスペースを埋めて、もう1人のCBと逆サイドのSBで中央を埋めてファーサイドをSHやCHに埋めてもらうという方法もあります。

どれを採るかはプレッシングの配置や方法との関係もあるので、一概にああしろとは言えないのが難しい所です。

次の5連戦でまたチームがどういう風に変わっていくのかが楽しみです。


試合結果

町田 1-2 福岡
得点者:14' オウンゴール
    30' 水本裕貴
    43' フアンマ デルガド

さいごに

やはり5連戦を同じメンバーで戦ってきたので、最後の2試合は疲れがあってか出足が悪かったですね。それでもセットプレーで一時追いついてしまうのですからセットプレーはすごい武器ですね。

そして次の試合は右SBの小田が累積警告で出場停止で、メンバー変更を強いられる中で誰が試合に出るのか楽しみです。今まで本職SBがベンチに入ることがなかなか無い中で、誰が選ばれるのか楽しみです。本職の下坂なのか、それとも青木を週末呼ぶのか、酒井ちゃんをコンバートするのか、海舟をSBにして中盤に別の選手を置くのかといろいろ考えることができるので、ポポヴィッチがどうするのかワクワクします。


今節もお読みいただきありがとうございました。


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