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吾輩はP患である

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精神治療の徒然。
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2023年10月の記事一覧

子どものしもべ

心理学というものを知ったのは、もうかれこれ30年前。 「りんごちゃん、頑張れば読めるでしょ?」 といって、若い牧師から何冊か心理学や哲学書みたいな本を渡された。 上っ面だけでも聖書はとうに読破して何巡目かではあった。 宗教の話でなければ会話にならない子どもだったともいう。 安定した友達は6年生になる頃には1人もいなくて、かろうじて繋がりがあったのは教会だけだった。 牧師先生はよく分かっていた。 この子は普通の会話ができない。 逆に神様や心の話なら他の子よりはるかに深く会話で

毒親は単体で毒ではなくて…

毒親ってなぜか周囲の人間も毒に加担する構造になる。 毒親自体が、対人関係に境界線のない付合いをする。 それに耐えうる人々や元々ニーズが合う人々なんかと共依存になって、コミュニティを発展させる。 境界線のない付合いなんか、通常小規模にしか成立しない。 しかし、大規模な共依存国家を成立させてしまえるパワーと能力があるのが毒ファミリーなのだ。 子どもにとったら、実際の世間という助けに手を伸ばすまで、ものすごい距離がある。 正に城壁が出来上がるのだ。 私の実家的には、キリスト

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Der.毒母ちゃん-複雑性PTSDを少し-

ジャニーズのタレントへの心のケアの本質を精神科患者が考えてみた

私はジャニーズファンではない。 だから、ジャニーズの社名がどうとか、グループ解散がどうとか、そういうのは全然関係なくて、タレントとしての土台である個人が元気で幸せな状態って何かなと思って考えてみたくなった。 トラウマのある人々トラウマのない人というのも普通にいないんだけど、ジャニーズはとりあえず性被害者の救済が大きな部分として注目される。 はっきりと深刻な症状がある場合、しっかりしたトラウマ治療のためのお金と時間をがっつり補償してあげてほしい。 そうすることで、自分を回復さ

先生と呼ばれる毒親を持ったとき

毒親からの脱却はこのところ盛んで、SNSを通じても色々な場所から確かな助けを求めやすくなってきた。 良い時代だ。 だけど、いくら良い時代になっても、脱却に踏み出せない人たちもたくさんいる。 明らかにひどい目に遭っていて、助けが必要だと自覚していながら助けを求めきれない人たちは、いくら輝く光を指し示してもつかむに至らない。 とはいえ大切なのは、今その人達が生きるために必要な状況のバランスであって、その人が求めた時、求めた人がベストなんだと思う。 たとえ、効率は悪くても、その