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仲がいいほど喧嘩するけど仲直りもできるのはやはり仲がいいから

仲がいいほど喧嘩する

争いごとから目をそらしてしまうわたしには理解できない言葉だった。
「なるほど、こういうことか!」とストンと落ちてきたのは、
息子と親友I君にその姿を見せてもらったから。

2人の出会いは、幼稚園の年少クラス。

年少後半くらいになって、急に息子の口から「Iが~」という会話が増えた。
会話が増えただけではなく「Iと結婚するわ」発言まで飛び出した。
とにかく仲がいいことがわかった。

年中にあがるとき、クラス替えがあったが、I君とはまた同じクラスになった。それを知ったときの息子の喜び具合は半端なかった。
I君宅でも、ワッショイワッショイのお祭り騒ぎだったそう。

そして、年長になっても同じクラス。こんなうるさい2人を、よく離さなかったなぁ、としみじみ思った。

とにかく、2人は相思相愛なのだ。

5歳でこんなに大好きな友達ができるっていいね

2人でキャッキャッしている姿を見ながら、I君のお母さんといつもこう話している。

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昨日息子を幼稚園に送った後、園から電話がきた。

何かあったかとハラハラして電話に出ると、今日息子が園に持って行ったおもちゃの確認だった。

「緑の小さな車のおもちゃ?」

そうそう、それそれ。
なにやらI君も同じおもちゃを持っているようなので~なんたらかんたらという内容。

きっと、同じおもちゃでお互いに「僕のだ!!!!」状態になっているのだろう。

先生から電話がくるほどとなると、とっくみあいモードに移行しているはず。お互い引かない性格だもの。大切なおもちゃを護るため、彼らは一歩たりとも引かないはずだ。

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朝、おもちゃをカバンに入れるとき、
「これIと同じなんだ!Iも持ってくるって言ってたんだ!」と、とっても嬉しそうな笑顔で話していた息子の顔が浮かんできた。

わたし親ばかだから。
やっぱりいつも息子には笑っていてほしい。悲しい顔は見たくないもの。
浮かんだ嬉しそうな顔が曇っていないことを願った。

これまで息子vsI君の喧嘩勝率は、息子が劣勢。ここぞというときに、弱さを発揮する息子は、ここぞというときに揺らがない強さを持つI君に負けてしまうのだ。I君に負けていると言うか、自分に負けてしまっているのかもしれない。

いつもよりちょっぴり早く迎えに行った。
どんな顔で出てくるかな。いつも出てくるときの表情で、そのあとに続く言葉がわかる。「今日楽しかった!」なのか「今日いやな日だった…」なのか。

さぁ、どっち?!

最高に楽しかった!!

ちょうど、I君のお父さんもお迎えに来ていて、2人で肩組んでガハハ笑いながら教室から出てきた。いつまでもくっついているので、I君のお父さんは苦笑い。しまいには、無理やりI君をバイクに乗せて走り去って行った。

バイクで遠ざかる間ずっとこっちを見て手を振っているI君と、いつまでもI君の名前を叫び続ける息子の図は、まるで付き合いたてのカップル。

「今日ね、Iとめちゃめちゃ喧嘩したんだ。僕もIも泣きながら怒った!でもそのあと仲直りしてめっちゃ遊んだ!!!先生にもう離れなさい!って言われるまで遊んだ!」

「そういえば、僕もIもごめんねしてないな。」

ううん、いいんだよ。2人で思いきり喧嘩して、そのあと2人ともまた、あんな輝く笑顔になれるならごめんねはなくてもいいんじゃないかな。

どちらかが悪いんじゃない、どちらかを一方的に傷つけたわけじゃない。

ごめんね、の代わりに2人の間に生まれた何かのほうが大事。
カップルでもあり、青春の友情じゃないか。

わたしは羨ましいよ、あなたたち2人がね。このまま2人で楽しい日々へ向かって突き進んでいきますように。

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余談:相当激しい喧嘩だったのに、周りは全く気にしないで遊んでいたらしい。そんなクラスメイトたちの姿を想像するとシュールで笑えた。




   


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