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旬を味わい続ける人生でありたい #09

10月も過ぎ肌寒くなってくると、飲食店では牡蠣フライが並び始める。
もうそんな季節か!と驚くと同時に、大好きな牡蠣をたらふく食べられる季節がきたとわくわくする。 
 
母が牡蠣がすきだった影響でか、私も牡蠣がだいすき。牡蠣フライという文字を見つけると頼まずにはいられない。
大人になり、生牡蠣の美味しさを知ってからはワインと牡蠣のとりこに。海外旅行でも躊躇なく牡蠣を注文するくらいには貪欲である。今のところあたったことはなく今後もないことを祈っている…。
 
スーパーや飲食店つまり生活の中に旬を謳う食材が出現し、それをそのタイミングで食べること。これこそが旬をいただくということだと思っていた。
 
数年前の11月、牡蠣のシーズンに兵庫県の赤穂市に行ってみようと思いでかけた。産地で旬をいただいてみたくなったのだ。
しかし、11月の牡蠣というのはずいぶん小ぶりで、牡蠣料理を多く扱っている店でも「いまはまだ早いっすよ」と言われた。
 
私にとってそれはかなりの衝撃だった。
だって、スーパーや飲食店では「今が旬!」と謳っていたから。もちろんそれが嘘だとか悪いことだとは言わない。実際"旬の始まり"ではあるわけだし。

だけど季節感の演出であり、商業的に作られた旬でもあるわけで。そういうところでは「まだ早い」も「もう遅い」も教えてくれない。それを知らない私は与えられた旬をそのままに受け取っていた。それはそれで楽しいのだけれど、貪欲な私は自ら旬を開拓したいと思ったのだ。
 
それから毎年、1月から3月のどこかで赤穂へ行くことにしている。産地の旬としては12月から2月と言われているのだが、12月に連絡してみると「まだ小さい」と言われることが多いのだ。
 
世間では10月から出始める牡蠣なのに、12月でまだ小さいとはどういうことなのか。
 
時にはウイルスが流行ってあまり取れないときもあった。天候の問題で引き上げられないということも。
 
それでも飲食店では変わらずカキフライが食べられるし、スーパーにもいつも通り並んでいる。これはどういうことか。
 
私の知っている旬は企業努力によって支えられた毎年必ずやってくる安定したものだった。(おかげで牡蠣フライをたくさん食べられるので本当にありがたい)
だけどほんとうの旬っていうのはもっと不安定なところにあるのかもしれない。なんてことを赤穂へ行くたびに考える。
 
今年の赤穂で食べた牡蠣も美味しかった。
去年も、その前も。いつだって美味しい。
私はただ牡蠣がすきなだけの人なので、出てくる感想は結局のところこれしかない。
今年も美味しかった!
 
だけど、旬を受け取るだけじゃなくて、自分で見つけに行くこと。それがより美味しさを増幅させているように感じている。単に産地だから新鮮で美味しいというのもあるだろうけど。
今のところ「旬」について行動できているのは牡蠣だけなのだけれど。笑
 
すきな食べ物の産地での"旬"を調べてみてもいいかもしれません。きっと自分が感動できる旬の味に出会えると思います。
 
一年に一度しかない旬の季節。
あと何度楽しめるだろう。
わからないから、毎年の旬の音に耳すませ、自ら旬の盛りに飛び込んでいきたい。牡蠣だけでなく、いろんな旬をもっともっと深く味わっていきたい。そんな人生でありたい。

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