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私のカメラ好きは、新婚旅行でカメラを盗まれたことから始まった


「写真お上手ですね!」

ブログに写真を載せ始めたところ、ありがたいことにこんな素人の写真にも関わらず褒めていただく機会が増えた。

教えられるようなレベルでは決してないし、もちろん趣味の範疇なのだけれども。

とはいえ、褒められるのは素直に嬉しい。


そして、撮りたい被写体がいて、その撮った写真が宝物となる今は、カメラを好きになって良かったと思わざるを得ない心境なのである。


そんな私がカメラを好きになったきっかけは何かというと。

『新婚旅行でデジカメを盗まれたこと』

全くもって穏やかではないきっかけである。


新婚旅行最終日前日の夕方。

よりにもよって、最終日前日の夕方にだ。

もうフィナーレ目前というときにだ。

せめて盗むなら初日辺りに盗んでくれれば、写ルンです等で対応出来たというのに。

盗人よ、多少は空気を読んでくれ。


私も不注意だったのである。

無防備だった私も悪い。

無防備にテーブルの上にドンと置いて食事に夢中になっていた私も悪い。

しかし、気が付いたら無くなっていた。


カメラがないことに気づき、ありとあらゆるところを探した。

店員さんに頼んで、ゴミ箱の中も見させていただいた。

しかしない。

近くにいた心優しい台湾人の方々がとても心配してくださり、懸命に店員さんに伝えたり一緒に探してくれたりした。

ご自身も旅行中であろうに、こんな全くの見知らぬ愚かなジャパニーズのために懸命に探してくださるお姿には、もはや後光がさして見えるほどであった。

こんな異国の地で異国の方々からとてつもない優しさに触れているのに、涙ながらに「thank you」としか言えない自分の語学力が情けなくもあった。


結局その場では見つからず事の顛末を旅行会社に伝えたところ、現地のスタッフのおじいちゃんが盗難届等の対応をしてくれ、心からの慰めの言葉をかけてくれ、せめてもの記念の品にとコインをプレゼントしてくれた。


参加したアクティビティで購入した写真以外、手元にない。

新婚旅行なのに、写真がほぼない。

このときは盛大な悲しみに打ちひしがれていた。

「そんなにカメラが欲しいならあげるから、なんならもう一台買ってプレゼントするから、SDカードは返してくれよ...」

無論、そのささやかな願いが叶うことなく帰国のときを迎えた。


日本に帰国後、カメラを盗まれた鬱憤を晴らすべく、夫と二人で家電量販店へ向かい、盗まれたカメラよりも性能が良く値段の高いカメラを購入した。

忘れもしない、RICOH のデジカメである。

そして、これがきっかけで写真を撮ることの楽しさを知った。


これまで使っていたデジカメに比べてなんと写りがキレイなのだろう。

撮るのが楽しい、めちゃくちゃ楽しい。

性能が良いとこんなにも撮るのが楽しいのか。

写りが良いということはここまで正義なのか。

今まで知らなかった世界を知った。

楽しさに震えた私は、コツコツとお小遣いを貯めミラーレスを購入することを決意。

その後、念願のOLYMPUSの一眼カメラを手に入れ、ますますカメラの楽しさに震えることとなった。

(以後、レンズを買い足したい!もっといい機種に買い替えたい!とカメラ沼にハマっていくこととなる)


新婚旅行でカメラを盗まれたことにより、人の優しさに触れ、台湾人が大好きになり、カメラという最高の趣味が出来た。

台湾にいつか旅行に行ってお土産めいっぱい買って恩返しするんだ、と心に誓っている。台湾は大変素晴らしい国だ。

そして、意外にもしっかりと鮮明に新婚旅行中にこの目で見た景色は覚えているものだとも感じた。

思い出として心には残っている。それで充分だと思うことが出来た。


写真は手元に残らなかったが、それと引き換えにたくさんのことを手に入れた。

趣味となったカメラは、子どもが産まれてからは最強の趣味となり、そしてそれが今現在ブログにも活きている。

全てはカメラを盗まれたことから始まったのである。


ショックを引きずるより、気持ちを切り替えて行動することで後に財産となることも出てくる。

何がきっかけで人生楽しくなるかわからない。

それがそのとき私の得た教訓だ。


しかしながら、一番の教訓はというと、

『大事なものは紐つけて首から下げとけっっ!!!』

である。

手から離すと行方が分からなくなる私には首から下げるストラップ姿がお似合いなのである。

もう無くさない。ごめんなさい。


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