ちっとも顔がタイプじゃない
不思議な話なんだけど、わたしは好きになる人の顔がちっともタイプじゃない。
勝手に「恋に落ちる」から、好きになりたい人を選ぶことができないせいかもしれないけど。その人のことが大好きなのに、時々顔をまじまじと眺めては「どうして彼を好きなのだろう」と心底不思議がったりしている。
好みじゃないといっても、顔が嫌いなわけじゃない。決して(少なくともわたし基準で言うならば)ハンサムではない彼だけど、表情はとても好きになる。わたしと一緒にいるときに笑ってくれたら嬉しいし、悲しい顔をしていたら自分にできることはないだろうかと考える。驚いた表情も困った顔も愛おしいし、時々、わたしの知らない表情を見つけては、嬉しくなったり切なくなったりする。
どうやら、わたしにとって、容姿そのものは、大して重要ではないみたい。
でも、一人だけ、顔もとびきり好きだった人がいる。
初恋の男の子。
彼も別に顔で好きになったわけではなくて、ずっとずっと知っていた。そうして、夜の信号待ちのある瞬間から、特別に好きになってしまった。
もう長いこと会っていないけれど、ついこの間、最近の彼の写真を見る機会があった。久しぶりに見てもやっぱり好きだなあと思った。相対的に見て彼がどのくらい「かっこいい」位置にいるのかはわからないけれど、(少なくとも幼いころはプリンスとかって呼ばれていた。懐かしい)わたしの中では常に圧倒的。
「顔も好きだった、最初で最後の人になってしまったらどうしよう」
そんな、する必要のない心配をしてしまった。
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