平成最後の夏:「未来を想う会話」編

―――7月も終わりに近づいてきた今日この頃。「平成が終わるね!」の一言をきっかけに、友人と新しい元号を考えてみた。

「どんな世の中になってほしい?」

「うーん……トランスペアレンシー(透明性)が欲しいですね。なので、『透』を使おう。そっちは?」

「ああ、それは間違いない。そうだなあ……。(かなり悩んで)自由かな」

「自由かあ。自由って?」

「LibertyとFreedomがあるよね」

「社会からの自由と、個人のもつ自由」

「わたしはFreedomかな……。いや、でもどっちも大事、難しい。ちなみに、よく『若者は自由をはき違えている』とか言うけど、そういう自由のことじゃない」

「自由って説明するの難しい」

「表現の自由とか、色んな自由が制限されていく今の日本だから、自由を求めたいです」

「とりあえずこれでいこうか」

「うん。でも、自由を表す漢字ってなんだろう」

「あーそれ難しいね」

「あっじゃあわたし、対話のある社会が訪れてほしいです!!」

「(グーグル検索)あ、まって、見つけた!楽市楽座とか、楽っていう字は自由を表すらしいよ」

「じゃあ『楽』で」

「楽透 (笑)」

「ラクトウ……。まあ、Rだから被らない(※H:平成、S:昭和、T:大正、M:明治と被らない)」

「なんかダサいね」

「でも、平成も最初はすごいかっこ悪いって言われてたらしいよ。慣れるんじゃない?わたしは生まれた時から平成だから、平成に対して感情とかないけど」

「あー。今までで一番かっこいい元号ってなんだろう。明治かっこいい」

「いや、絶対弥生」

「範囲広い!ていうか、弥生って元号じゃなくない?」

「じゃあ、安土桃山」

「安土桃山も時代だよ。その中でもっと元号分かれていると思う」

―――ウィキペディアで一覧を見てみた。

「(スクロールしながら)へえ~~。なんか、『永』とか『仁』とか、多いね」

「『応』とか『延』とか、『安』とかも」

「平和っていうか、縁起がいいというか、そういう感じなんだね。全部」

「そうだね。じゃあ『楽』には何がいいかな」

「楽は『ラク』じゃなくて『ガク』とも読めるよ」

「ああ、RでもGでも大丈夫だね」

―――色々それっぽい漢字を組み合わせてみましたが、どれもしっくりこない。

「ていうかさ、元号いらなくない?」

「ん?」

「なんか、子年とか丑年とかっていう感じで、残っているのはいいけど、実社会で使う必要ないと思う。西暦だけでいい」

「ほう」

「平成にした時も、突然変わっちゃったから、カレンダーだけじゃなくて色々損害が出たんだって。経済的損失まで生まれるんだよ?それにわたしも実際、ここ数年とか、毎年平成何年かなんて覚えてなかったし」

「たしかに」

「平成生まれはともかく、昭和何年生まれですって言われても、歳わからないし。西暦の方が便利だよ」

「元号やめよう!」

「やめよう!!」

―――ということで、わたしたちの中では、平成最後の夏をもって、元号の制度を廃止することを決定いたしましたとさ!(笑)

平成最後の夏は、平成を振り返るばかりじゃなくて、平成の先をどう生きるかについて考えてみても、いいかもしれませんね:)

わたしはやっぱり、

お互いがお互いをカテゴリーでとらえない、個人を思い浮かべられる社会;対話のある社会

が訪れてほしいと願っています。

<おしまい>

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