見出し画像

【令和のβ版】インフルエンサー新評価軸『SPEC+T』を考案してみた件【定礎】

ある日、サグラダファミリア建設に手を出した話


気づけば旧正月まであけまして、おめでとうございます。
RING LIGHT編集長のおーうらです。

ー「定礎」はどう読み、またどんな意味ですか?

大学の言語表現論という授業でされた質問、
頭上を山頂とすると2合目あたりまで手を挙げた、
はずかしい思い出があります。
(((当時:テイと思わせといて実はジョウパターン…やな…?)))

定礎(ていそ)は建築の安全や繁栄を祈って建築の着工時に行われていた儀式、その碑。現在では竣工日、つまり建物の建築が完了した日に設けることが多いですが、正直なところ規定はなく、ゆるいそう。

いいですね、ゆるいって。
そこに礎があることをとりま定めて、安全と繁栄を祈っていいわけです。

*****

ある日の午後。

おーうら編集長🐼
「次のnote記事のテーマ、なににしましょうね」

えーかわ部員🐨「なんかさあおーうらさん、インフルエンサー2軸論※って考え方の記事書いたじゃない?でもさ、もうひといき、個のパワーの根源っていうか、なんでそのインフルエンサーがインフルエンサーとして成り立っているのか…知ってほしいよねえ」(※過去記事参照)

スクリーンショット 2022-02-15 17.55.38

おーうら編集長🐼「2軸論は視聴者との関係ステータスの話で、評価じゃないですからね。評価基準に共通言語がないままだと、インフルエンサー個人に関する評価がいつまでも整理されないまま感覚的で表面的なものになってしまいますよね」

🐨「そうそう、直近の視聴者デモグラと定性定量情報もタイアップするメディアとしてもちろん大事だけど、もっと、そのインフルエンサーがインフルエンサーとして輝く所以が、みんなパッと見てわかればなって」

🐼「うんうん、はい」

🐨「なんかさあ編集長」

🐼「うんうん、はい」

🐨「つくれるかな?」

🐼「うんうん、はい」


- 数日後 -


🐼「できました。名付けて、インフルエンサー新評価軸『SPEC(スペック)』β版です」

🐨「β版?」

🐼「これを着工開始日の定礎としましょう」

そうして、この時にはまだ想像もしていなかった、
サグラダファミリア的無間建設工事がRING LIGHTで始まりました。
インフルエンサーマーケティング界の安全と繁栄を祈って
…いざ着工ぅぅぅ!!!!

*****

今回は早速結論からいきましょう!

インフルエンサー評価軸「SPEC+T」とは
=インフルエンサーのパワーを「4つの軸+1要素」で評価できる軸。
表面上ではなく「本来の強み」を共通言語化したもの。まだβ版。

スクリーンショット 2022-02-24 13.50.58

よぉぅし…汗
果たして、基礎になり得るのか?
(ここから以下はご意見おまちしております)


①「S」 Scale:認知力

スクリーンショット 2022-02-15 17.09.06

まずはScale / スケール。Awarenessにしなかったのは、フォロワー数が少なくても特定のニッチな界隈での認知度は高いと取れる場合もあり、そのニュアンスを含めたくなかったからです。あくまでここは数値実績での規模感を示します。つまり、Scaleとコンテンツは分けて考える必要があるということです。再現性の高い短尺動画で視聴にストレスのないTikTokはフォロワーが比較的増えやすいなど、プラットフォーム間でのフォローハードルにも差があります。どのフィールドを起点にフォロワーを獲得しているかを知った上で、消費者からどういうコンテンツが望まれ、信頼関係を育んでいるか(後述のP,E,Cに関連)について見定めることが大切です。

■🐼:目盛のイメージ
------
-メガインフルエンサー 500万人以上
-トップインフルエンサー 〜500万人
-ミドルインフルエンサー 〜100万人
-マイクロインフルエンサー 〜20万人
-ナノインフルエンサー 1万人以下
------
🐼:活用パターン
・TVCMとYouTube連動で商材認知獲得施策を実施する上で、広い世代から愛されるメガインフルエンサー活用を検討する
・ニッチな商材の理解促進のため、専門的なマイクロインフルエンサーを多数起用して質の高いUGCを生み出す

②「P」 Professionalism:専門力

スクリーンショット 2022-02-15 17.09.45

続いてProfessionalism / プロフェッショナリズム。その通り、あるジャンルに関しての専門的な知識や経験度の評価です。例えばコスメのハウツー1つとってみても、プロメイクアップアーティストと一般人の情報発信では信頼への標準装備が違いますよね。専門力でいうと専門家レベルが高いほど高評価です。でも、ここで大切なのはあくまで"専門力に関する標準装備"であり、視聴者にとっての価値と必ずしもイコールではないということ。趣味と情熱でコスメヲタクをしている人だって、この数年間のただならぬコスメ愛と経験から今や”一般人代表”として信頼を得ているわけです。視聴者にとっての説得力はどちらになるのか、その判断は視聴者各個人がします。ここで企業側がタイアップを考えるのであれば、"その商材を消費者にどう受け入れられたいか"から、発信者に必要な専門力を検討できるということです。

■🐼:目盛のイメージ
------
-代表的存在/トッププロ
-免許/就業経験あり
-ハイアマ
-趣味/一般人の代表
-勉強中/好き/一般人と同等
------
🐼:活用パターン
・高機能な商材特性の説明に説得力を持たせたいため、元ビューティーアドバイザーのインフルエンサーを起用したい(実施可否取りが厳しいというハードル)
・商材を身近に感じさせ、また正直なレビューをして欲しいので、一般知識レベルのインフルエンサーから使用感を伝えてほしい(数多の中から適切な起用者を選定しなければならないハードル)

③「E」 Engagement:熱狂力

スクリーンショット 2022-02-15 17.29.18

次はEngagement / エンゲージメント。これは愛と信頼の蓄積の目盛りです。
いわずもがな、これはScaleの大小に相関しない評価軸。例えば「マイクロインフルエンサーでもファンからの好反応を多く獲得していれば評価すべきだよね」もっというと「この人が良いっていうなら脊髄反射的に買う」を限りなく感性に近い位置で可視化していきたい(希望)。インフルエンサーマーケティングの醍醐味です。

今、多くのタイアップは"タイアップするプラットフォームを選定した後に人を選定する"という順序で、"1投稿に対する高評価数の割合を表面的に評価する"場合にEngagementという言葉が使われることが多いです。でもそれだけの観点では適当な評価にならない場合があります。例えば、商材理解促進のためにYouTube動画タイアップを検討し、あるファン層の合うインフルエンサーを発見。普段の企画動画投稿のいいね数が特段多くはないですが、LIVE配信になると10万人同時接続集客ができます。これは本施策においてEngagementが低いインフルエンサーと言えるでしょうか?アーカイブ動画ではその人にとって熱量を発揮できる地点でのEngagementを評価できていませんよね。そのインフルエンサーと商材との文脈がマッチするのであれば、施策自体をLIVE配信に切り替える選択肢がでてきます。本当にそのプラットフォームでの施策実施が適切なのか?とここで揺らいでしまうのであれば、実施目的がそもそも明確になっていないかもしれません。最初から、今回求めるEngagementとは何か?を明らかにすれば"人×コンテンツ×配信手法"の組み合わせ思考が近道な場合があるということです。

Scale部分でお話したように、インフルエンサーによってファンを獲得してきた配信プラットフォームや配信形態が違い、そしてコンテンツが違います。それをあまりに加味しない横並びの評価は、あってないようなもの。インフルエンサーをあくまでプラス軸で評価するのであれば、得意領域をまず明らかにすることから。愛の目でそのインフルエンサーのコンテンツを見ましょう。好きになること以上の理解はありません。

それで結局目盛りはなんなのって??涙
ちょっと例えばを考えてみたので、それをもとに工事していきましょうよ涙
(着工前からそんな気がしてたけど絶対これが原因で無間思考)

■🐼:目盛のイメージ
-----
>YouTubeアカウント
再生数 / 登録者数
(高評価数+コメント数) /再生数
商品言及数 / コメント数
同時接続者数 / 再生数

>その他インフルエンサー共通
オリジナルグッズ販売総額 / 総フォロワー数
チケット販売or動員数 / 総フォロワー数
1日あたりのソーシャル上での言及数
-----
・・・・・むず・・・・・
🐼:活用パターン
・企業公式のTwitterアカウントへの誘引を図りたいため、Twitter投稿の拡散におけるEngagementが高いインフルエンサーを活用する
・店舗への誘致施策のため、過去実績から集客orグッズ販売におけるEngagementが高いインフルエンサーをコラボ商品開発候補者として集める
・インフルエンサーAのYouTubeLIVE配信集客におけるEngagementが高いことがわかった、ファン層は企業商材に親和性があるのでブランドを認知させたく、LIVE配信を盛り上げられるタイアップ企画を検討する

④ 「C」 Creativity:企画制作力

スクリーンショット 2022-02-15 17.31.21

そしてCerativity / クリエイティビティ。つまりは発信するコンテンツの"質"。きたあああああ!質!質とは!?これまでの流れでいくと、視聴者が求めているコンテンツを提供していることを評価する場合、低目盛り=低評価とは限らないじゃないか!

そう!そうなの!でも、ここでは落ち着いて…軸の目盛りを設けてみましょう。そして、実施目的からCreativityの"重要性"を判断するのです。

■🐼:目盛のイメージ
-----
>企画力
-新しく再現性の高いフォーマットを流行、定番化させる力がある
-新しいフォーマットを生み出せる
-トレンドに合わせたフォーマットを使用できる
-こだわりを持たない

>制作力(質感/技術)
-ハイブランドマッチ
-一般ブランドマッチ
-主にトリミングのみ
-こだわりを持たない
-----
🐼:活用パターン
・企業のプロモーション動画制作において、企画におけるCreativityの高いコント系インフルエンサーに依頼し、画期的なコント台本を作成+監修してほしい
・ハイブランド商材なので、制作におけるCreativityの高いインフルエンサーに依頼し、画質や魅せ方にこだわったスタイリッシュなタイアップ動画を制作してほしい
・普段ファッション系のトレンド企画を発信し、特に高いEngagementを獲得できるインフルエンサーに、企業の新商品を紹介して欲しい。ただし、制作におけるCreativityは重要視しなくてよい

………

+Trend:トレンド

スクリーンショット 2022-02-15 17.33.13

そして最後に大事なプラス要素!Trend / トレンド。極端にいうと、「おーうらさん、今キテるインフルエンサーって誰ですか?」で名前が出る人の、その理由です。でもニッチな領域でのそれは、わかりやすくは表に出にくいもの。その時点のみのScale評価ではなく、イベント性や他インフルエンサーとのコラボ含むメディア露出、それによるファン数の伸びをピックアップし、加点的に評価します。
ここでもやっぱり忘れてはいけないのは、そのインフルエンサーが今どこを起点にして、なぜ話題になっているかを明瞭にし、タイアップする理由に文脈をもたせることです。"キテるから"という理由での依頼はタイアップ文脈として不足しており(わかるけど)、インフルエンサー側も企業側もファンからの信用をかえって失うことになりかねません。Trendは加点です。Trendを本質だと思ってしまうと、ただ過ぎていきます。
そのタイアップに、愛はあるんか?RING LIGHTであと100億兆回言います。

🐼:+Trend要素のイメージ
------
☑️ YouTube登録者XXX万人の達成直前直後である
☑️ トップインフルエンサーとのコラボで登録者が急増している
☑️ そのインフルエンサーが制作したコンテンツがSNSでトレンド入りした
☑️ Z世代への人気調査でランクインするなど他メディアで取り上げられた
------
など…
🐼:活用パターン
・Trend要素を持つあるインフルエンサーの夢を企業がタイアップを以って応援することで、最新の消費者視点を持つ存在かつユニークな企業であることを広く認識されたい
・普段から企業の商品について好意的な言及をしていたインフルエンサーにフォロワー50万人を記念した商品提供を実施し、今後も長期的に良い関係値を育みたい

ど、どうですか…?

スクリーンショット 2022-02-24 13.50.58

マーケターは施策目的を果たすために、どの力の源泉が重要かを理解した上でインフルエンサーリストを整理できると、感性の一歩手前まで迫ることができそうですね。

感性から先にいけないのは、そもそもインフルエンサーに絶対的な良し悪しはないから。情報が勝手に入ってくる時代だからこそ、発信側も受け手側もそれぞれの愛したいコンテンツを能動的に愛する気持ちで繋がっていて、でもその愛も心情、世情に沿って簡単にかたちがかわるものです。

明日自分がどんな力の源泉でインフルエンサーになるかもわからないし、
どんなコンテンツとの出会いがあるかもわからない。変数もいいとこ。
だから科学しきれない!
インフルエンサーマーケは愛と世界の化学反応だから!たのしすぎない?!

ッスゥ…ハァ

最後に

「今回の施策は登録者数大きめの方で実施したいので、フォロワー50万人以上のYouTuberリストをください」
これは現状まだあるご相談内容です。
"SPEC"は、インフルエンサー評価の過程で未だにある不毛さを取り除いていく考え方としても役立てると信じています!
まだまだこれからだっ

2022/02/15、定礎


※物件完成イメージ※

スクリーンショット 2022-02-15 17.36.32


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?