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ムシできないヤツら

【文字数:約1,600文字】

 第12回の「おたからさがし」は前回に続いてナマモノ、つまり生物を取り上げることにした。

 そろそろ未鑑定のキノコを調べたり、良い感じの石について語りたいと思いつつ、虫のクモがいると分かるや排除しようとする人を知り、あえて虫を取り上げることにした。

 前の第11回において、様々いる虫の中でも見映えのする蝶を取り上げたけれど、今回のは苦手な人だと確実にダメだろうから先に書いておく。


なものを
見せるなわめ
その前に

ブラウザ閉じて
バイバイしてね


 警察官も警告なしでの発砲は許されないので、事前に説明責任を果たすのは大切だ。

 というわけで、以降のページを見て苦言を呈されても「知らんがな」で終わることを明記しておく。








 これくらい下げれば流れ弾が飛んでいく心配もないだろうし、そもそも私の趣味記事でおもねる必要があるのかナゾだけど、衝突を避けるためのゾーニングは必要なわけで。




 山中の水辺で見つけたのがコチラ ↓

ワタシを見つけられるかな

 灰色の岩石が転がる川辺にて、なにやら岩の上を移動する物体を見つけた。

コモリグモ

 まわりの灰色に溶けこむ体色は鳥などの外敵から身を隠し、反対に他の虫を捕獲するのにも有利なのだと思う。

 コモリグモと思われるコチラは、よく見ると体の後ろに卵をつけている個体もチラホラいた。

木の葉のような色

 クモだけを拡大したのがコチラ ↓

灰色の卵

 始めに見たとき体に石を付けているのかと思ったけれど、これも周囲の色に溶けこむ擬態なのだろう。

 反対に体の茶色っぽいのがメスで、灰色のオスよりも生活圏が森林に近いのかもしれない。

 別の角度で撮ったのがコチラ ↓

あらぶる獅子のポーズ

 なんとなく野菜のゴボウを連想するメスに対して、オスは私から見てもキモい。

いきりたつ竜のポーズ

 粒みたいな複眼はカワイイのに、脚には針でも刺したみたいな毛が生えて、現在の人間にとって保温にならない鳥肌が立つ。

 マジキモい。じっと見てるとゾワゾワする。でもそれがイイ。

 海にいるタラバガニとかの遠い親戚なわけで、害をなさないのに排除しようとするのは人間による勝手な都合でしかない。

 いやでもホントにキモい。苦手なのも分かる。

 ◇

 次は虫の中でもハンターと呼ばれ、嫌われ者どころか敵と認識されているコチラ ↓

※ プライバシーに配慮しています

「ボクだってね、別に好きで嫌われてるわけじゃないんですよ」

「生まれてすぐはチヤホヤされて、それで勘違いしちゃったっていうか」

「動けるようになったら後は仕事シゴトで、もうボクは疲れたんです」

相談者 Sさん

「やっと自由になったって思ったら、めちゃくちゃ眠いし……おっと」

ふんばる Sさん

「ボクはもう長くないんだって、わかってますよ。でもね、これだけは言わせてほしい」

記者に訴える Sさん

「ボクにだって人生があるんだ! 必死に生きてただけなんだ!」

「だから、飛んでるだけで……嫌わないで……ほしい、な……」

《Sさん? もしもし、Sさん?》

「なにか、みえる……こ、れ、は……」

《Sさーん!!》


 以上、りんどん記者による妄想インタビューでした。


 どうにか感動的にしようと試みたけれど、相手がスズメバチでは無駄な努力かもしれない。

 あとすこしで力尽きようとしているのか、のろのろと地面を歩く姿にハンターの面影はなく、どこか同情めいたものが湧いた。

 巣が見つかれば駆除の対象だし黒い色に引きつけられると聞くから、黒髪のアジア人などにとっては天敵と言って間違いない。

 それでも虫の造形は機能美に満ちており、じっと写真を見つめてしまう。

 理解してくれと強制することはできないけれど、美しさの基準は人それぞれだと思う。

 最後に虫が苦手な人が見たら、とにもかくにもすぐ逃げ出す写真を貼って終わる。


プロレタリア文学のイメージ図

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