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おうちのそとにはキケンがいっぱい!

『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』
羽根田 治
読了レビューです。
文字数:約1,000文字 ネタバレ:一部あり


 なにかに挑戦して失敗したら「ほれみたことか」と、なにもしない人間が得意げに振る舞うらしい。

 本書のタイトルには、そうしたツーと言えばカーの脊髄反射みたいな趣がある。つまり本書を読まずに死んだら「ほれみたことか」と言われるかもしれない。


 内容は分かりやすく「○○で死ぬ」に続いて死亡、もしくは重症などに到った経緯、そして対処法を短くコンパクトにまとめている。

 個人的に身近なのは「毒キノコ」だろうけれど、私は鑑賞するのが好きなのであって、得体の知れない野生キノコを食べる気にはならない。

 とくに好きなドクツルタケは白くて美しい姿をしており、白いブナシメジ(野生種)に見えなくもない。しかし私にはそれが骨のようにも感じられ、始めて見つけたときに食欲が湧くことはなかった。

 なにより動物みたく「お前をキノコにしてやろうか!」などと叫びながら襲ってくるわけでもないし、食べたら危険だという知識さえ有していればよく、その姿勢は他の事例にも応用できる。

 危なそうだと思ったら立ち止まる。それだけでかなりの危険を減らせるだろう。

 ただ、キノコ探しをするときに散策路から外れるときがあって、トラップカード「道に迷う」が発動するかもしれない。

 とはいえ対処は簡単で、人の通る散策路から離れすぎなければよく、山歩きの鉄則である「進んできた方向を逆に辿る」を使えば復帰できる。

 難しいのは散策路が分かりにくくなっている場合で、明らかに人の歩いた形跡がない場合はすぐに戻る。そのおかげで過去に何度か事なきを得た。

 とくに低山とも呼びにくい里山だと、人の手が入っていないせいで道が悪く、転倒や滑落といった危険がむしろ高い。腐りかけの木橋とか、映画だったら途中で落ちるやんけ。


 クマと戦闘になるかもしれない山から離れても、川や海にだって危険がある。

 毎年、夏になると「水の事故が~」を聞くのが当たり前になっているし、海岸に毒クラゲのカツオノエボシが打ち上がる事例が増えているそうな。

 海で泳げば言わずもがな、そのまま藻屑になってしまわないよう、波打ち際で遊ぶくらいが安全なのだろう。

 とはいえ様々なリスクを負うから楽しいというのも、死亡率の高いバイクに乗っている人間としては理解できるのだった。

 ここで一句。

 バイク事故
 ケガで済んだら
 ついてるね!

 皆さんも家の外に出るアウトドアを楽しむときは、自分を過信せず十分に注意してくださいね。



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