むかしむかし ちゃくうた というものありけり
【文字数:約800文字】
けっこう前に阿部共実『潮が舞い子が舞い』の読書レビューを書いた。
ヘッダー画像は他のレビューと同じく書影を用いて、書店における平置きのような配置を心がけた。
その画像をさらに加工してスマートフォンの壁紙にしていたところ、おもしろい表示になった。
同作1巻の表紙がスマートフォンの画面左上に配置され、画面端にある時計の数字と重なったことで、朝の連続テレビ小説の一幕に見える。
◇
「なぁ、後ろの窓から飛び降りてみせよっか?」
「お前にそんな勇気ないだろ」
「よく分かってんじゃん。そういうところが安心できるわー」
「わたし以外に言うなよ?」
「どうして?」
「本気だと思われるから」
「他の奴にこんなこと言わないって」
「そーかい」
「ありがとう」
「なんだよ気持ち悪いな」
「……じゃあな」
「……ああ、またな」
(次週に続く)
◇
14分なら終わりの部分なので、そんな感じで引きを作るのかなぁと。
上記のやり取りは私の創作だけれども、同作における2人の関係性も近いものがある。
調べてみると8巻の発売は6/8とのこと。
そうした遊びをしていて、自作の曲を携帯電話に入れていたことを思い出した。
自作といっても作曲などをするのではなく、この場合は正規のサイトから購入するのではない、自分で加工や編集をした曲のことだ。
現在は外出先で曲が流れるのを良しとせず、元から端末にある着信音で済ませてしまうけれど、過去には設定した曲で個性を出す風潮があったように思う。
セキュリティが今より緩かったこともあり、曲の音源データから好きな部分を抽出し、加工を施して携帯電話へと転送することができた。
著作権法上はグレーな個人で楽しむ形ながら、様々な曲を音源として捉え、複数のものを結合して別の何かを作ったりした覚えがある。
やがて動画投稿サイトの普及により、ありとあらゆる静動ふくめた画像が素材として見られるようになった。
詩や短歌なども様々なものを素材にする点で共通しており、なかなか無駄になるものがないと実感しているのだった。
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