#3行日記
夢。
城を守る兵士になって。
城主つまり殿が茶碗の底に這うような水を最後に配る。
それを一口だけ飲んで持ち場の脇に置く。
もう一つの茶碗と合わせて二つ。
末期の水にでも使うのか。
城の外を見る。
黒い波のような人。
たくさん。たくさん。たくさん。たくさん。たくさん。
「嫌になるほどいやがる」
洒落だという意識もなく毒づく。
まわりも笑う余裕はない。
のこぎりを持ち出して矢を切りに城近くの山を目指す。
刀を持っていくか迷う。
そこまで来ている可能性を考える。
生きているほうが奇跡だろうなと思う。
起きると全力疾走をした後のような動悸。